2013年4月号掲載

上司が「鬼」とならねば、組織は動かず

マネジメント組織・人事リーダーシップ
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著者紹介

概要

かつて日本には、どの会社にも「鬼の上司」がいた。彼らは自ら先頭に立って働き、部下を厳しく育てた。そして部下は猛烈社員となり、日本は奇跡の復興を遂げた。しかし不況の今、鬼は消え、優しい上司が指導者の鑑に ―― 。こうした現状を嘆き、“鬼の復権”を訴えた1冊。強い組織を作る上で、鬼の上司がいかに大切かが、わかりやすい例を挙げて説かれる。

要約

鬼の上司か、仏の上司か

 指導者は鬼であるべきか仏であるべきか、いろいろな場で論じられている。そして私は「鬼派」の先兵と見なされている。

 それに不満があるわけではないが、「仏派」の言い分の中に、あまりに現実離れした空論が目立つので一言申し述べる。

凡人を天才待遇で育てればダメ人間になる

 会社の中でトップに近い人ほど鬼派であり、「指導者は鬼の部分を持たねばならない」という考え方に賛同共鳴する。

 この考えに不快な顔をするのは、若い社員、戦後教育の申し子とも言うべき40~50代の民主的おじさんたち、それと評論家などの知識人だ。

 曰く。「人は誰でも能力と無限の可能性を持っている。それを引き出すのが上司の役目。女子マラソンの金メダリスト高橋尚子を育てた小出監督はほめて育てた。叱らなかった。部下のいいところを認めてほめれば、部下は能力を伸ばしていい仕事をする」。

 確かにスポーツ界では、選手の個性と自主性を尊重した指導をすれば優秀な選手が育つと思う。

 だが、スポーツで一家を成す人は、その道の天才だ。凡人が集う一般の会社とはわけが違う。また、スポーツ選手は専門家だ。走る専門、泳ぐ専門である。その専門能力を突出させるには、他の欠点に構っていられない。礼儀知らずでも、気分よく高い意欲で練習に打ち込ませないといけない。

 つまり、スポーツ選手の能力を伸ばす指導法と、社員の能力を伸ばす指導法は違う。社員は会社の期待に応える人材、仕事ができる人になってもらわねばならない。そのためには組織に適合し、ビジネスの基本が行える社員であることが先決だ。

 もし会社に世界的な発明・発見をする天才がいるなら、その社員はやりたいようにさせればいい。

 あなたの会社にこんな天才がいるか。努力が天才を生むと言うが、凡人はいくら努力しても世界的偉業を為し遂げることはできない。

 仏派は「人は誰も無限の可能性を持っている」から、凡人を天才として扱えと言っているのだ。

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