2013年4月号掲載

医療幻想 「思い込み」が患者を殺す

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著者紹介

概要

抗がん剤はがんを治す薬ではなく、命を延ばすためのもの。点滴は血液を薄めるだけで、有害なことが少なくない。がん検診に熱心なのは日本だけ…。日本医療の驚くべき実態に、作家としても活躍する医師が切り込んだ。医療業界、製薬業界、厚労省、マスメディア等々が、自らの利益のために生み出した医療を巡る「幻想」を晒し、望ましい医療のあり方を問う。

要約

幻想が蔓延する日本の医療

 最近、これまで医療の常識だと思われていたことが、いくつも覆っている。

 例えば、傷は消毒した方がいいと思われていたが、消毒はかえって傷の治りを遅くするので清潔な水で洗うのがいいとか、太っていると心臓病になりやすいと思われていたが、心不全の死亡率は軽度の肥満の方がやせた人より低いとかである。

 他にも健康診断を熱心に受ける人は受けない人より短命だとか、コレステロール値は正常値より高めの方が長生きするとかのデータも出ている。

 EBMという言葉をご存じだろうか。「Evidence Based Medicine(根拠に基づいた医療)」の略で、1990年代から提唱された概念である。

 この言葉を聞いて、「それじゃ今までの医療は根拠に基づいてなかったのか!?」と吃驚するのは、私だけではないだろう。

 医療は全く根拠に基づいていなかったわけではないが、思い込みや机上の空論に基づくものも少なくなかった。EBMにするためには、その治療をやった場合とやっていない場合を比較して、有意な差があるかどうかを見極めなければならない。

 それをせずに、単によいと信じ込んでやっている医療は、いわば「幻想医療」である。

 日本にはそれが蔓延している。例えば ――

薬は効くという幻想

 事実は違う。抗がん剤は、初めからがんを治す薬ではなく、延命効果を期待するだけのものなのである。一般の人は、この事実をどれくらい知っているだろうか。

 病院で抗がん剤の治療を受ける時、人はがんを治してもらおうと思っているのではないか。しかし、それは誤解である。医師は患者の命を延ばそうとはするが、がんを治そうとは思っていない。

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