2011年2月号掲載

みんなが知らないうちに買っている 日本国債 暴落のシナリオ

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著者紹介

概要

今や日本の債務残高は国内総生産(GDP)の約2.3倍と、世界の主要国の中で最悪の水準である。本書は、その債務の多くを占める日本国債がいずれ暴落すると予測。暴落のカギを握る海外投資家の動向や国債を買い支えてきた国内の金融機関の状況等を分析する。また、経済大国の没落の歴史を振り返り、今後、日本国債がたどるであろう暴落の道筋を予見する。

要約

日本国債がデフォルトする日

 2010年3月末の日本政府の債務残高(国債、政府借入金、政府保証債務の合計)は、929兆4595億円と天文学的な数字になった。

 こうした国の借金の大半は、国債となって金融市場で取引されている。

 だが、もし市場参加者が日本国債を買わなくなれば国債は暴落し、日本の財政は破綻する ―― 。

世界の投資家は、日本国債をどのように見ているか

 昨年、米国のダウ・ジョーンズ社が発行する投資情報誌「バロンズ」に、こんな記事が載った。

 「日本国債のデフォルト(発行した時の条件を満たさなくなる債務不履行)は可能性があるだけではなく、次第に現実味を帯びている」

 そして2010年時点で、日本の借金のGDP(国内総生産)に対する割合は225.1%となり、世界で最悪の水準に達していると指摘。これは、G20(主要20カ国・地域)全体の平均が76.7%であることと比べれば、異常な数値だ。

 記事では、日本の高齢化社会の進行も指摘し、稼ぐ人が急速に減る一方で、増え続ける高齢者を支えなければならない現実を示した。

 つまり「膨大な国の借金を日本は返せない」、この事実が突きつけられたのである。

国債の暴落は、低金利が長く続いた後、突然に起こる

 この数値だけを見ると、日本国債が暴落する可能性は低いように思われる。日本への信任が高いから日本国債の価格が安定し、日本国債の利回り・長期金利が低くなっているように見える。

 実際、「日本の国債が大丈夫だと思われているから投資家に買われている。だから長期金利が低く、日本国債は問題ない」と言う人は多い。

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