2009年9月号掲載

実践 行動経済学 健康、富、幸福への聡明な選択

Original Title :Nudge:Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness

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著者紹介

概要

人間は、いつでも合理的な判断をするわけではない。しばしば、過去の記憶や他人の言動など、様々な要素の影響を受けて「不合理な判断」を下してしまう。本書では、こうした判断がどのようなメカニズムで生み出されるのかを、多数の例を挙げて解説。そして、我々が生活する上で判断に迷いがちな、医療、貯蓄、投資といった場面で、判断ミスを防ぐ方法を紹介する。

要約

人の判断には欠陥がある

 人はいかにして選択し、意思決定するのか。

 過去40年間、社会科学者は、この問題について綿密な調査を行ってきた。その結果、人間の判断には例えば次のような欠陥があり、様々なバイアスがかかっていることが確認されている。

経験則

 多くの人は忙しい。あらゆる要素を考え、時間をかけて分析するわけにはいかない我々は、判断を下す時、単純な「経験則」を手がかりにする。

 例えば、ミルウォーキーの人口がどれくらいかと聞かれたとする。できることは、我々が知っているものを起点に推測することである。

 仮に、シカゴの人口が約300万人であると知っていたら、こう考える。

 ―― ミルウォーキーは大都市だが、シカゴほどではない。だとすると、ミルウォーキーの人口はシカゴの3分の1、つまり100万人ほどか。

 これは「アンカリングと調整」と呼ばれる経験則である。何らかのアンカー(自分が知っている数字)を起点として、判断を調整するものだ。

 このアンカー、すなわち思考プロセスの起点を、ある特定の状況下で巧妙に示すことで、人々の選択に影響を与えられる。

 例えば、慈善団体が寄付を求める時、たいてい100ドル、250ドル、1000ドルといった選択肢を提示する。それらが、人々が寄付をしようと決める金額に影響を与えるからだ。選択肢が50ドル、75ドル、100ドルの場合よりも、人はたくさん寄付しようとするだろう。

 また、「利用可能性」という経験則もある。

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