2009年3月号掲載

こうすればビジネスチャンスを逃さない 急成長企業の戦略を解剖

Original Title :OUTSMART!:HOW TO DO WHAT YOUR COMPETITORS CAN'T

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著者紹介

概要

今日、ビジネスの変化は、過去のいずれの時代の変化よりも激しい。しかし、ピーター・ドラッカーが指摘したように、「混乱は脅威ではなくチャンス」である。事実、こうした環境の中においても、チャンスを見出し、劇的な成長を遂げている企業が世界には多数ある。本書は、そんな企業の中から8社を選りすぐり、その成長戦略を分析。応用できる教訓を引き出す。

要約

潜在的な商機に気づく

 21世紀初頭のビジネスの変化は、過去のどの時代の変化よりもスピードが速く、程度も激しい。

 こうした中、独自の戦略に基づいて、顧客に魅力的な製品やサービスを提供することで急成長を遂げている賢明な企業がある。

 例えば、2001年に設立されたミュージシャン仲介サービスのソニックビッズ社もその1つ。同社の売上は03年は24万8000ドルだったが、07年には800万ドルの売上を上げた。

 同社を立ち上げたパノス・パナイは、大手タレント・エージェンシーの幹部だった。

 一般にタレント・エージェントはクライアントの収入の10%を報酬として受け取るので、結婚式でのバンド演奏など、ギャラの低い仕事を嫌う。

 だが、パナイは別の見方をした。結婚式でのバンド・ビジネスは年間25億ドルの市場がある。また、小さなバーや祭りなどにアーティストを派遣するビジネスは、110億ドルの市場がある。しかも、まだまだ成長の余地がある、と彼は考えた。

 そこで、立ち上げたのがソニックビッズである。同社は音楽版の仲人のようなもので、ミュージシャンとプロモーターを結びつけるために働く。

 ミュージシャンは、年間50~100ドルの会費を同社に支払う。すると、自分の演奏のサンプル、写真、経歴などをまとめた電子プレスキット(EPK)を作成する手助けをしてもらえる。

 現在、約1万人のプロモーターが、ソニックビッズの12万人のミュージシャン会員とつながるために、同社のサイトを利用している。

 パナイは、このビジネスを音楽ジャンルに限定していない。マジシャンがすでに会員になっており、俳優やモデルからも問い合わせが来ている。

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