2000年4月号掲載

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

Original Title :THE INNOVATOR’S DILEMMA

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著者紹介

概要

業界を支配するような巨大企業は、その優れた経営戦略ゆえに、滅んでゆく ―― 。一見、矛盾するように思える指摘だが、様々な業界でこれを実証する事例は数多い。“優れた大企業”は、既存の業界秩序を破壊してしまう「破壊的イノベーション」が生まれると、それをコントロールすることができないからである。本書は、破壊的イノベーションの実例を多数挙げるとともに、それに対する処方箋を示す。

要約

なぜ優良企業が衰退するのか?

 企業がつまずく理由には、官僚主義、慢心、近視眼的な投資など、様々なものがある。

 だが、失敗するのは、そうした弱点を持つ企業だけではない。優良企業も失敗している。

 例えば、シアーズ・ローバックは数十年にわたり、世界でも有数の小売企業と考えられてきた。

 全盛期には、米国の小売売上高全体の2%以上を占めていた。しかも、カタログ販売、クレジットカード販売など、小売業におけるいくつかのイノベーションの先駆者でもあった。

 ところが同社は、ディスカウント・ストアとホーム・センターの波に乗り遅れた。今やカタログ事業から撤退したばかりか、小売事業の存続自体が危ぶまれている。

 また、かつてIBMは、大企業向けのメインフレーム市場では圧倒的に優勢だった。だが、メインフレームより技術的にははるかに単純なミニコンピュータの出現によって、わずか数年でその地位を追われた。

 ミニコン市場を開拓したのはデジタル・イクイップメント社(DEC)で、そこへデータ・ゼネラル、ワングなどいくつもの企業が参入した。

 しかし今度は、これらミニコン市場の主要企業は全て、パソコン市場を見落とした。パソコン市場を開拓したのは、アップル・コンピュータ、IBMの独立パソコン部門などである。

 なぜ、業界リーダーの座にあった優良企業が、その地位を失うのか?

 それは、優れた経営をしていたからである。

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