2008年12月号掲載

いま起こりつつある“かすかな兆候”を見逃すな! 競争優位戦略の視座

Original Title :5FUTURE STRATEGIES YOU NEED RIGHT NOW

いま起こりつつある“かすかな兆候”を見逃すな! 競争優位戦略の視座 ネット書店で購入
閉じる

ネット書店へのリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。

※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

ビジネスの世界は変化の連続であり、日々、様々な問題が生じる。それらに対処する際、難しいのは、どの問題に好機、あるいは深刻な脅威が潜んでいるかを見極めることだ。本書では、今ある種々の問題の中から、ボストン コンサルティング グループのマネージング・ディレクターである著者が、最重要課題を5つ選び出し、その対処法を示す。

要約

今注目すべき「5つの兆候」

 水平線上に嵐雲がもくもくとわき起こるように、ビジネスでも常に重大な問題が生じてくる。

 それらの問題は、その時点では、断固として対処しなければならないと感じさせるほど明確なわけではない。

 しかし、その時点こそ、問題に焦点を当てるべき時期なのだ。そうすれば、まだ水平線の彼方を見ていない競合相手より優位に立てる。

 次の5つの課題は、まだかすかな兆候にしか見えないかもしれない。だが、そのうちビジネス誌のトップを飾るほどの大問題になるだろう。

①サプライチェーン・マネジメントを鍛える

 今日、多くの企業が商品の50%以上をアジアから調達している。その結果、コストを下げて利益を上げ、市場シェアを獲得している。

 ところが、大変な事態が起こりつつある。それは、中国などのアジア諸国から米国へ商品がどっと押し寄せ、それを受け入れて配送するインフラが対応しきれなくなるという問題だ。

 西海岸の港は急増するアジアからの商品に対応しきれなくなり、コンテナ揚げ降ろしの取り扱い能力が2010年までには限界に達する。

 この現象は「中国発の激流」と呼べる。すなわち、中国から調達することで、予測が難しく、管理もしにくいコストが新たにかかってきて、ようやく切り詰めた節約分を吸い上げてしまうのだ。

 例えば、予定より遅れて着く船荷がどんどん増える。マーケティング担当者は、在庫切れから自社を守ろうと在庫水準を上げるように要請する。にもかかわらず在庫切れは続く。補充サイクルが数週間長くなる。そして、企業は過剰在庫を売りさばくために値下げをしなければならないことに気づく、という事態が増えている。

 どのサプライチェーンにも、直接費、間接費、隠れたコストという3種類のコストがある。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

パーパス経営 30年先の視点から現在を捉える

名和高司 東洋経済新報社

BCGが読む経営の論点2022

ボストン コンサルティング グループ(編) 日経BP

ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則

ジェームズ・C・コリンズ 日経BP社

BCG 次の10年で勝つ経営  企業のパーパス(存在意義)に立ち還る

ボストン コンサルティング グループ(編著) 日経BP・日本経済新聞出版本部