2007年11月号掲載

美味しい食事の罠 砂糖漬け、油脂まみれにされた日本人

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著者紹介

概要

ファストフード、缶コーヒー、コンビニ弁当…。戦後の食文化の欧米化により、砂糖漬け、油脂まみれとなった我々の食生活。この日本食の破壊が、中年男性のメタボリック症候群、若い女性の乳ガン患者急増の根底にある! ガン患者の栄養指導を行う幕内秀夫氏が、乱れた食生活の現状を報告し、米食中心の健全な食生活のあり方を提言する。

要約

油脂と砂糖にまみれた現代人の食事

 今や、グルメ大国になった日本人の胃袋の多くを満たしているのは、ご飯でも野菜でも魚でもない。その大部分を占めるのは、油脂と砂糖だ。

 意外と我々は、油脂まみれのものをあれこれと口にしている。特に、食費にあまりお金をかけていない人ほど、たくさん食べている傾向にある。それはどういうことか。

 油脂には素材の悪さをごまかす、という便利な働きがある。多少味の落ちる素材も、油脂まみれにすれば、油脂のコクで美味しく食べられるのだ。

 例えば魚の場合、新鮮なものは刺身、鮮度が落ちてきたら焼いたり煮たりし、さらにダメになれば天ぷら、フライにする。

 安い弁当には大体フライが入っているが、油脂まみれの総菜は、素材で勝負できないような材料を使っていることが多い。

 最近、社会の格差が拡大中だと騒がれているが、さらに深刻なのは、その格差が「食」においても拡大していることである。

 食べ物は、健康に、命に直結する。お金と情報のある人だけが、新鮮で無農薬の素材や栄養バランスのよい食事をし、情報やお金のない人は、油脂まみれになった悪い素材を口にするしかない現状。これはとても酷いことである。

カタカナ主食は油脂と砂糖の副食を連れてくる

 しかし、格差社会とはいえ、かつてのような日本の伝統的な食事であれば、お金持ちでない人でも、もっとまともな食事ができたはずである。

 ところが戦後、「栄養改善」と称する食の欧米化が進んだことにより、日本の食文化はすっかりカタカナ主食に席巻されてしまった。

 パスタ、ピザ、ハンバーガー、ラーメン…。これら自体に、砂糖や油脂が含まれていないものはほとんどないし、これらと一緒に食べるもので、砂糖や油脂が入っていないものもほとんどない。

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