2006年12月号掲載

中国から日本企業は撤退せよ

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著者紹介

概要

日中関係は、かねてより「政冷経熱」(政治冷却、経済熱気)といわれる。だが、その経済関係に問題はないのか? GDP成長率10%超という数字のカラクリ、貧富の差による治安の悪化、中国進出企業の惨状…。中国を知りつくす著者が、日本のマスコミがほとんど報道しない中国経済の実態をえぐり出し、警鐘を鳴らす。「それでもまだ中国へ進出するのか?」と。

要約

中国企業も中国から逃げ出している

 中国経済は依然として、異様なほどの高度成長の最中だ。2006年上半期のGDP成長率は、実に10.7%だという。

 その一方で、矛盾する現象も見られる。

 上海に駐在する日本人は2万5000人強といわれ、短期出張組、観光客、留学生を加えると、常時5万〜10万人近い日本人が、上海とその周辺に滞在している。

 その上海では、この2、3年、予想を超えて人件費が高騰し、3K現場の技術者はカネを積まないと集まらなくなった。奢侈品はインフレ、次いで電気、ガス、水道などの諸コストも暴騰している。

 今さら、こんなにコストの高い上海に進出して、製造コストが合うのだろうか。

 実は、中国企業が真っ先に上海から逃げ出している。上海から内陸部へ移転した中国の民間企業は3058社(浙江省工商局統計、05年)、このうち本社機能まで移転したのが248社もある。

 国有企業の中には、ベトナム、カンボジア、ラオス、バングラデシュ、ミャンマーへと工場を移転しているところが目立つ。

 外国企業にも、中国市場を見限るところが目立ち始めた。製造維持のコストばかりか、水不足、公害・環境問題が原因で、水のきれいな国へ移転した企業の数が顕著になったのだ。

 近年の顕著な特色は、農民、住民らの「公害」と「開発」への抗議行動である。従来の貧困農民の反乱に加え、一般の民衆が軍隊と衝突を繰り返すので、治安が極度に悪化する。

 エネルギー不足と公害垂れ流しの相関関係も重症だ。石油、ガスを燃やしても足りないので、石炭を焚いて蒸気を起こす火力発電所があちこちに公害を撒き散らしている。

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