2005年11月号掲載

ブランド・ハイジャック マーケティングしないマーケティング

Original Title :BRAND HIJACK

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著者紹介

概要

「ブランド・ハイジャック」とは、消費者がある商品やサービスに惚れ込み、その存在や魅力を口コミなどで勝手に広げて、ヒット商品にしていくこと。企業にとっては非常にありがたいことだ。では、どうすれば消費者にハイジャックしてもらえるのか、ハイジャックされた時どう対応するのか等々、この消費者主導型マーケティングについて豊富な事例をもとに解説する。

要約

「ブランド・ハイジャック」とは?

 今やブランディングの主導権は、マーケティング・マネジャーから消費者に移った。世界中で、洞察力、想像力を兼ね備えた無数の人々が、製品やサービスの大ヒットを後押ししている。この現象を、「ブランド・ハイジャック」と呼ぶ。

 新ブランドを定着させ、社会や文化に衝撃を与えるには、ユーザーと協力するのが一番である。

 すでに様々なブランドが見本を示している。PDA(携帯情報端末)のパーム、ブーツのドクター・マーチン、狭心症の薬として開発されながら別の効能が認められたバイアグラ…。いずれも口コミに尾ひれがつき、どんどん進化していった。

 消費者がブランドに意味を持たせて周囲に勧めていく —— 。ブランド・ハイジャックはそのことを容認するものだ。それは単なる顧客維持ではなく、真のロイヤルティーを育む。何よりも、これまでにはなかった消費者との協力を積極的に進めるものである。

ブランド・ハイジャックの成功例

 ナップスターの創立者ショーン・ファニングは、音楽業界に革命を起こし、ファイル共有ソフトを発明してやろう、などという気はさらさらなかったという。彼はただ、ウェブから楽に音楽ファイルを取り込む方法を考えていただけだった。

 ショーンは、随時更新できるオンライン音楽インデックスを開発しようとプログラムを組み、ハッカー仲間にそのベータ版を送りつけた。それから数カ月のうちに、数十万人もの人々がこのソフトウェアを手に入れ、利用したのである。

 ナップスターは、完全なハイジャック・ブランドだった。それは、マーケティングによってではなく、消費者によって突き動かされていた。生みの親の手を離れて、ユーザーが成功を後押しし、意味付けしていったのである。

 ドクター・マーチンのブーツも、これと同様だ。

 彼は、靴底に空気層を仕込むアイデアを考え出し、やがて脚の痛みに悩む年配の女性のために、ドイツ中で製品を売り出した。

 英国の靴メーカー、グリッグス・カンパニーがその噂を聞きつけ、空気層ソールの独占販売権を獲得した。こうして、ブランドは英国に渡った。

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