2026年9月号掲載

結局、自分のことしか考えない人たち 自己愛人間への対応術

Original Title :WHY IS IT ALWAYS ABOUT YOU? (2003年刊)

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著者紹介

概要

他者を見下して利用し、自分には特別扱いを求める…。家庭や職場など、身近にいる「自己愛人間(ナルシシスト)」。その心理をわかりやすく説き、彼らから身を守る方法を紹介する。著者は、米国の経験豊富なソーシャルワーカー。プライベートな自己を見せない、職場の信頼できる同僚と手を組む等々、役立つアドバイスが満載だ。

要約

彼らはどこにでもいる

 この世は時々、思いやりなどまるでない、自分本位な人たちであふれかえっているように見える。

 彼らは、相手の欲求よりも自分の欲求の方がはるかに重要で、何事も自分の思い通りになって当然と考える。そして、思い通りに物事が運ばないと、怒り狂ったり、すごく落ち込んだりする。

 彼らのような人たちはどこにでもいる。そんな彼らの人生とあなたの人生が交差する時、あなたはとても惨めな気持ちを味わうことになる。

 彼らはパーソナリティ上の欠陥を抱え、自分をすばらしい特別な人間だと思い込み、自己中心的な行動を見せる。その病の名を「自己愛(ナルシシズム)」といい、自己愛の強い傲慢な人間を「自己愛人間(ナルシシスト)」と呼ぶ。

自己愛の時代

 自己愛は今の時代にはじまったことではない。虚栄心が強くて貪欲で、相手を操ろうとする人間や、思いやりのない人間はいつの時代にもいた。ところが厄介なことに、本来は欠陥であるはずのそのパーソナリティ上の特徴が、今の時代には広く世間の承認を得ているのだ。

 それどころか、今日、自己愛は美化される傾向にある。有名なリーダーやセレブには自己愛の傾向が見られる。そんな有名人に憧れて、彼らの真似をする人間が現れる。そして、健全な自己愛と、不健全な自己愛との区別が曖昧になってしまう。

不健全な自己愛

 健全な自己愛は、幼少期に芽生えて、成人期に満開を迎える。健全な自己愛があってこそ、私たちは自分自身や自己の欠点を笑い飛ばせる。

 健全な自己愛とは、自分の感情を感じることができ、相手がその時に抱いている感情をも共有できる能力だ。夢見る力を持ち続けながら、現実と幻想とを区別できる能力である。

 不健全な自己愛の持ち主は、精神面や情緒面が完全には成長していない。能力や実績がまったくないにもかかわらず、自分を優れた重要な人物だと思い込む。そして、誰かに欠点を指摘されると、耐えがたい恥の意識を覚える。彼らの態度の裏には、よちよち歩きの発達段階から成長していない“2歳児の姿”が隠れている。

傲慢な態度で見下す

 自己愛人間が世間に見せる表向きの人格は、たいてい優越感に満ちている。ところが、その傲慢な仮面の裏に隠れているのは、膨らんだ自尊心でできた脆い風船である。彼らにとっては、自分が優秀なだけではダメである。彼らにとっては、自分が「他の人よりも」優れていなければ何の価値もないのだ。自己愛人間にとって、価値は絶対的なものではない。常に誰かや何かと比較して、自分が相対的な尺度で勝っていなければダメなのだ。

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