2026年9月号掲載
コトラーのマーケティング6.0 フィジタル時代の新原則
Original Title :MARKETING6.0:The Future is Immersive (2024年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2026年7月30日
- 定価3,080円
- ページ数289ページ
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著者紹介
概要
マーケティング6.0とは、「メタマーケティング」のこと。リアルとデジタルを融合した、没入型体験を提供する新たなマーケティング手法である。1990年代半ば以降に生まれ、テクノロジーに精通したZ世代・アルファ世代を引きつける上で、重要性は増すばかりだ。この最新フレームの考え方、活用法を、具体的な事例を挙げ論じる。
要約
マーケティング6.0時代の到来
進化を続けるテクノロジーは、マーケターが顧客と関わる方法を変化させている。その結果、今日では「マーケティング6.0」、すなわち「メタマーケティング」が登場している。これはフィジカル(物理的)世界とデジタル世界の境界を超越し、顧客に両者の区別を感じさせない、シームレスな没入型体験を提供するマーケティング手法だ。
このメタマーケティングは、Z世代やアルファ世代といったデジタル・ネイティブ層を引きつける上でますます重要となっている。
Z世代とアルファ世代とは
Z世代とは、1990年代半ば~2010年代初めに生まれた世代のこと。デジタル時代に生まれたため、新しいテクノロジーへの適応力が非常に高い。
アルファ世代は2010年以降に生まれた。テクノロジーに精通しているミレニアル世代(Y世代)の親の下で育ったため、Z世代よりさらにデジタルに精通している。
両世代を合計すると世界で40億人を超えており、多くのブランドにとって重要な市場といえる。
AI(人工知能)ネイティブ
Z世代やアルファ世代はAIネイティブである。彼らは必ずしもAI技術を他の世代よりも理解しているわけではないが、自分のデータをシェアすることで、パーソナライズされた体験が得られるという価値を理解しながら育ってきた。
その上、アップルのSiriなどのAI搭載音声アシスタントと気楽にインタラクト(一方通行ではなく、双方向に関わること)し、生活をより便利にしている。学生や若い社会人は、勉学や仕事のためにChatGPTなどを積極的に活用し始めている。
メタバース・ネイティブ
Z世代とアルファ世代はメタバース(仮想世界)・ネイティブでもある。これらの世代はゲームが大好きで、没入感の高いデジタル・コンテンツや、ゲームが与えてくれる固く結びついたオンライン・コミュニティに引きつけられている。
Y世代が同じ場所に集まってゲームをすることを好むのに対し、Z世代やアルファ世代は離れた場所からゲーム環境で繋がる傾向がある。また、自分のアバターを強化するため、ゲーム内アイテムの購入にお金を使ってもよいと考える。加えて、AR(拡張現実)技術やVR(仮想現実)技術を使ったインタラクトにも抵抗がない。
実店舗での買い物も好き
とはいえ、彼らを引きつけるにはオンライン体験だけに力を入れればよいわけではない。最近の調査によると、アメリカのZ世代はオンラインでたびたび購入しているが、実店舗で買う傾向もY世代より高いことが明らかになっている。
その理由は単純だ。彼らは実世界とデジタル世界の間に境界を感じない。例えば、スマートフォンで価格を調べながら実店舗で購入するなど、オンラインとオフラインをシームレスに行き来する。このような現象をフィジタル(フィジカルとデジタルの合成語)という。