2026年6月号掲載
[増補改訂版]経営者の教科書 ――成功するリーダーになるための考え方と行動
著者紹介
概要
経営者が成功するためには、何をすべきか。多くの企業を知る経営コンサルタントが、現場での経験と経営書からの学びを基に、経営という仕事についてまとめた。「企業の方向づけ」「資源の最適配分」「人を動かす」。この3つを軸に、経営の原理原則を説く。15年売れ続けるロングセラーを、さらにパワーアップした増補改訂版。
要約
経営という仕事
世の中には「経営」という仕事が存在する。しかし多くの経営者が、そのことを十分に認識していない。経営とは具体的に何をすることなのか?
それは、「企業の方向づけ」「資源の最適配分」「人を動かす」の3つである。
①企業の方向づけ
経営にとって一番大事なことは「方向づけ」、つまり「何をやるか、やめるか」を決めることだ。この方向づけが企業の命運の8割を決める。
「目的」の大切さ
方向づけを行う上で重要なのが企業の「目的」、すなわち存在意義である。何のために経営しているのかの目的を経営者が明確に持ち、働く仲間と共有することが、経営ではとても重要だ。
松下幸之助氏は著書『実践経営哲学』の第1項を「まず経営理念を確立すること」とし、その内容は「目的を明確にすること」とある。また稲盛和夫氏は『経営12カ条』で、その最初に「事業の目的、意義を明確にする」と書いている。
大成功する経営者は、目的を経営の中枢に据え、それを明確にし、経営者自身や自社が目的をしっかりと持ち続けることの大切さを説いている。それをベースに、方向づけを行っているのである。
「Q、P、S」で考える
方向づけを行う時は、「お客様の動向」を見極めなければならない。お客様が何を求めているのかを見つけることが、方向づけの最重要課題であり、基本中の基本である。これはマーケティングやイノベーションにおいて、とても重要なことだ。
この時、ツールとして使うのが「Q、P、S」という考え方だ ―― クオリティ(Q:品質)、プライス(P:価格)、サービス(S)の3つである。
お客様は、このQPSの組み合わせで、自社を選ぶか他社を選ぶかを「相対的」に決める。従って、お客様の求めているQPSの組み合わせを見極め、かつ、ライバルが提供しているQPSを知ることが、正しい方向づけにおいて大変重要になる。
方向づけを正しく行うための経営者の3つの訓練
では、どうすれば方向づけの能力を高められるのか。その方法は3つある。