2026年6月号掲載
最新 欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学が示す、人種と病気の新常識
- 著者
- 出版社
- 発行日2026年3月20日
- 定価1,210円
- ページ数254ページ
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著者紹介
概要
グルテンフリーで体質改善、筋トレで脂肪を燃やす…。巷でもてはやされる欧米発の健康法。だが、欧米人と「体質」の異なる日本人が取り入れても効果があるとは限らず、有害なことすらある! こう警鐘を鳴らす医師がその問題点を指摘し、日本人に合った健康法を伝える。2016年刊行の同名書に新たな知見を加えた改訂版。
要約
欧米人と日本人は体質が違う
「グルテンフリー」で腸内環境と体質を改善、オリーブ油で健康的にダイエット…。
こうした健康法は、実は全て間違いである。正確にいうと欧米人には有効でも、日本人には効果が期待できない。なぜなら、日本人と欧米人は「体質」が違うからである。
体質とは何か
体質とは何か。辞書の『大辞泉』は、体質を次のように定義している。
からだの性質。遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成される、個々人の総合的な性質。(以下略)
注目してほしいのが「遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成される」という部分だ。体質というと、生まれつき備わった遺伝的素因にだけ目を向けがちだが、環境要因も体質に大きな影響を及ぼすと考えられていることがわかる。
ここでいう環境要因は、食生活、喫煙、気候、ウイルス、紫外線、運動、ストレス、睡眠など、体に影響を与えうる全ての出来事と行動を含む。
病気の発生には、遺伝的素因と環境要因が様々な割合で関係する。遺伝的素因が大きな原因となるのが、筋ジストロフィーなど遺伝子の異常によって発生する遺伝子病。環境要因の影響が大きいのが、骨折などのケガ。そして遺伝的素因と環境要因の両方が発生に影響するのが、糖尿病などの生活習慣病、がん、感染症である。
このように病気の発生にかかわる体質にも、遺伝子によって決まり基本的に一生変わらない部分と、生活環境やストレス、食生活などの生活習慣によって変わる部分がある。日常生活においては、これらをひっくるめて「体質」と呼んでいる。
病気になる人、ならない人
先述の通り、がんや感染症の発症には遺伝的素因が関係している。しかし、遺伝子に変異が起きたら全員が病気になるかというと、そうではない。あくまでも発症する「可能性が高まる」だけだ。
そうなる理由はいくつかある。
まず、たいていの病気には複数の遺伝子が関係しており、遺伝子変異が1カ所で起きただけで病気が発生するのはまれだ。また、体には、がん細胞や病原体を殺したり、体外に追い出したりする防衛機能がある。この機能にも遺伝的素因にもとづく個人差があるので、同じように危険にさらされても誰もが病気になるわけではない。