2025年11月号掲載

なぜあの人は同じミスを何度もするのか

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著者紹介

概要

世の中には実に様々な人がいる。同じミスを繰り返す、いつも会議に遅刻する、言うことがコロコロ変わる…。心理学を専門とする著者が、そんな困った人たちの「記憶」の深層を探った。この記憶の深層心理が人を動かしていることを踏まえれば、理解しがたい行動に対する苛立ちが薄れ、冷静に対応できるようになるという。

要約

なぜ何度注意しても同じミスをするのか

 世の中には理解しがたい人がいる。「なぜあの人は何度注意しても同じミスを繰り返すのか?」「なぜあの人はいつも愚痴ばかりなのか?」…。

 実は、このような人物や現象の背後には、記憶の心理メカニズムが働いている。

物忘れや遅刻が発生するメカニズム

 モチベーションが高く能力的にも優秀なのに、なぜか物忘れや細かなミスが多く、会議にもしょっちゅう遅刻する。では、記憶力が悪いのかというと、そうとも言えない。このタイプの部下を抱える管理職は頭を悩ますことになる。

 これをどう理解したらよいのか。カギとなるのは記憶だ。記憶を、過去についての記憶と未来についての記憶に区別して考える必要がある。

 過去の出来事についての記憶を「回想記憶」という。一方、未来のある時点にしなければならないことについての記憶を「展望記憶」という。

 午前中に商品の納期について確認する。午後3時からの会議に出席する。このような予定を適切な時に思い出すことが展望記憶の機能である。

 仕事面で致命的な失敗を犯しやすいのは、展望記憶が苦手なタイプだ。大事な予定を忘れたり重要な書類を忘れたりといった失態を演じ、周囲を呆れさせたり関係者を怒らせたりしかねない。

どうすればリスクマネジメントできるのか

 展望記憶に難がある場合、メモなどの外部記憶装置を多用して、すべきことを忘れない対策が必要である。だが、メモだけでは心もとない。「○時に会議室での会合に出席」とメモしていても、その直前にタイミングよく見るとは限らない。

憂うつな予定に限って時間を間違えてしまう理由

 展望記憶は、未来の予定行動を確実に導く役割を担うだけではなく、それを想起することで、何らかの気分をもたらすこともある。

 例えば、「明日は気むずかしい取引先の担当者を、何とか説得しなければならない」と思い出すだけで憂うつな気分になる。一方、「明日はデートだ」と思い出すと、うきうきした気分になる。

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