2025年7月号掲載

定年がなくなる時代のシニア雇用の設計図

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著者紹介

概要

2025年4月、65歳までの雇用確保が義務化されるなど、シニアが働くための環境整備が進んでいる。そうした中、歳を重ねても会社に求められる人材になるには、何に留意したらよいか。「働き続けてほしい」人材を増やすために企業がすべきこととは? 労使双方の視点から、ミドル・シニアの活躍を実現するためのヒントを示す。

要約

顕在化するミドル・シニアの働き方の問題

 日本では、今や45歳以上の就労者は全体の6割を超えている。少子高齢化に伴い、ミドル(40~50歳代)・シニア(60歳以降)の就労者の比率は今後も上昇していくことが予想される。

 だが、現場で働くミドル・シニアに目を向けると、多くの問題が顕在化している。

定年が視野に入る頃、「裏切られた」という思いを抱く

 例えば、多くの会社は教育のためにお金と時間をかけ、ミドル・シニアに活躍してもらおうと努力している。にもかかわらず、ミドル・シニア従業員に対するキャリア相談や企業研修では、「会社に裏切られた気分だ」「会社の施策に不満足」という言葉がよく聞かれる。なぜ、こうしたネガティブな感情が起こってくるのか。

 その原因の1つとして、会社とミドル・シニア人材のミスコミュニケーションがある。ミドル・シニア側にヒアリングを行うと、会社の行うキャリア形成支援策の意図が伝わっていないことがわかる。彼らの多くは、人事が行う様々な施策を「肩たたき」と解釈してしまうようだ。

 きちんと目的が伝わらないと、施策の有効性は低くなる。会社の意図がミドル・シニアに歪んだ形で捉えられてしまうことに難しさがあるのだ。

ミドル・シニア人材の採用が進まない要因

 ミドル・シニア人材の中には、社外へ活躍する機会を求める人もいる。だが、多くの企業は、ミドル・シニアの採用に積極的ではない。

 厚生労働省によれば、中途採用の方針は、「35歳未満」では約95%の企業が採用に積極的である一方、45歳以上では「あまり採用は考えていない」が最多となっている。

 その理由の1つは、健康面だ。ミドル・シニアは長時間労働に対応しづらく、急に病気になる可能性も高まる。そうしたリスクが高い人材をあえて積極的に採用するメリットを感じられないのだ。

特に理由はないが、なんとなく採用しない

 ミドル・シニア採用に積極的ではない理由として、「特に理由はない」を挙げる企業も多い。明確な不安がないにもかかわらず、なんとなく採用を検討していないのだ。

 しかし実際、優秀なミドル・シニアは多い。社会人としての作法や仕事の仕方など基本的な能力が高く、さらに大手企業で培った経験に基づくノウハウは素晴らしいものがある。

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