2023年4月号掲載

それホントに体にいい? 無駄? 「健康神話」を科学的に検証する

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  • 著者
  • 出版社
  • 発行日
    2023年2月2日
  • 定価
    1,980円
  • ページ数
    410ページ

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著者紹介

概要

巷にあふれる健康情報。その大多数は、信用できない「ウソ情報」だ! カゼを引いたら抗生物質を飲む、ゼロカロリーの甘味料なら太らない…。本書は、これら健康にまつわる興味深い「神話」(通説)の真偽を、科学的に判定。海外の一流科学・医学雑誌に掲載された論文を引きつつ、正しい健康知識をわかりやすく紹介する。

要約

「神話」の真偽を検証する

 健康情報が、テレビ、新聞、ネットなどのメディアを通して洪水のごとく押し寄せている。だが、記事の大多数はウソ情報である ―― 。

抗生物質がカゼの原因とされるバイ菌を殺す?

 日本では、カゼを引くと病院に行く人が多い。病院では抗生物質が処方され、患者はそれを飲んだおかげで治ったと喜ぶ。これはウソである。

 カゼの原因はウイルスの感染だ。細菌の感染ではない。細菌とウイルスは違ったものだ。抗生物質は細菌の増殖を抑える、あるいは殺す薬だが、ウイルスには全く効果がない。だから、カゼの治療を目標に、抗生物質を飲んでも無駄である。

 問題はそれだけではない。抗生物質を飲み続けると、皮膚や腸内に棲む多くの細菌が死滅する。そして皮膚が荒れ、下痢や便秘などを引き起こす。

 では、カゼを引いて発熱したらどうすればいいのか。仕事を休んで、暖かくして寝ることだ。発熱によって体温が上がると、ウイルスの増殖が抑えられる。休養することによって体力を回復させ、免疫力を高めるというメリットもある。

コーヒーは健康によい?

 「コーヒーは健康によい」という神話には、ウソとホントが混在している。

 まずはホントの部分。コーヒーは脳を興奮させ、従って活性化する。コーヒー1杯(約180ml)に含まれるカフェインは約100mgである。このカフェインが体に入ると、大脳皮質が興奮するため、覚醒し、眠気や疲労を感じにくくなる。その上、集中力が高まり、学習や仕事の生産性が向上する。

 加えて、コーヒーには寿命を延ばす効果がある。アメリカがん研究所が調査したところ、コーヒーを飲む人は、全く飲まない人に比べ、がん、脳卒中、糖尿病など、あらゆる死因において寿命がやや長くなるという結論に達した。

 では、どうすればいいのか。カフェインが肝臓で分解されて半分になる時間のことを半減期と呼ぶ。カフェインの半減期は約4時間。そしてコーヒーを飲んでから8時間経てば、体内のカフェインは最初の量の4分の1になる。だから、ベッドに入る少なくとも8時間前以降にコーヒーを飲まないようにするとよい。

少しの飲酒は全く飲まないよりも健康にいい?

 昔から適度の飲酒は健康によいと言われるが、これはウソだ。飲酒は健康を損ねる原因だ。

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