2022年5月号掲載

気候変動の真実 科学は何を語り、何を語っていないか?

Original Title :UNSETTLED:What Climate Science Tells Us, What It Doesn't, and Why It Matters

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著者紹介

概要

「気候危機説は捏造だ」と、本書は明言する。なぜなら、米国の最高気温は50年間上昇していない。気候モデルによる温暖化の将来予測も、確実なものではない。気候危機説の誤りを、科学的根拠を交えて指摘するとともに科学が正しく伝えられない原因を示す。著者は、オバマ政権でエネルギー省科学担当次官を務めた物理学者。

要約

温暖化についてわかっていること

 人間は地球の気候を破壊してしまった。気温の上昇、熱波や暴風雨、干ばつ、洪水…。すべて温室効果ガスの排出が原因だ。社会を抜本的に変え、これらを根絶しない限り、地球は破滅するという。

 だが、果たしてそうなのか? 例えば、気候科学の現状をまとめた研究文献や政府報告書によると、米国の熱波の頻度は1900年と変わらず、最高気温はこの50年間まったく上昇していない。

気象と気候は違う

 「地球の地上気温の偏差(1850~2019年)」というグラフがある。これを見ると、1850年から地球の「気温」が約1℃上がっている。

 では、こうした変化を憂慮すべきなのか?

 現在、世界中の何万という観測所や何十もの人工衛星が、地球の至る所でそうした変化を記録し、気象局がその観測結果を分析して予報を出す。

 朝、家を出る時にセーターが必要かどうかを決めるのに予報は役立つが、気象の観測を用いて気候について何かを知るのは難しい。なぜなら気候は気象とは違うからだ。一般の議論では、この違いが区別されていないことが多い。

気候は、気象の「30年間の平均」

 気象は絶えず変化する。1日の中で変化し、季節や年によっても変化する。他方、ある場所の気候は、数十年間に及ぶ気象の平均を意味する。実際、国連の世界気象機関は気候を「30年間の平均」と定義している。つまり、気象の年ごとの変化が気候の変化を構成するわけではない。

 気候を決めるには少なくとも10年間の観測が必要で、その変化を明らかにするには20年以上を要する。

 それに、すべての場所に温度計を設置せずに、どうやって地球の温度を測れるというのか?

 

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