2021年1月号掲載

アマゾン化する未来

Original Title :bezonomics

企業・業界事例経済・経済学社会・政治
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著者紹介

概要

ベゾノミクス ―― コロナ禍で一人勝ちするアマゾンのビジネスモデルを表す言葉である。ジェフ・ベゾスが築いたこのモデルは、今後、企業の枠を超えて世界に普及する。だが、それが広がった未来は必ずしも明るいものではない。ベゾノミクスとは何か。それがもたらす影響とは? ジャーナリストがアマゾン化する世界を読み解く。

要約

世界はアマゾン化している

 アマゾンは2019年の時点で、米国のオンライン小売業界の約40%を支配している。また、アマゾン・プライムの会員数は世界で1億人を突破、アマゾン・ウェブ・サービスは世界最大のクラウドコンピューティング企業へと成長した。

 2010年代を通じて、この高収益企業は年平均25%の成長率を記録している。これはアマゾンと同規模の大企業にとって、驚異的な業績だ。

競合他社ではなく、顧客の方を向く

 アマゾンの成功の秘訣は何なのか? 創業者ジェフ・ベゾスは、次のように語っている。

 「私たちは純粋に顧客中心で行動しており、長期志向であり、発明志向なのである。ほとんどの企業はそうではない。彼らは顧客ではなく、競合他社の方を向いている。(中略)そして自ら発明するよりも、他社に遅れず付いていくことを選ぶ。その方が安全だからだ。(中略)これら3つの要素をすべて兼ね備えている企業はほとんどない」

 私は彼が生み出した新しい企業モデルを「ベゾノミクス」と呼んでいる。それはビジネスに対する私たちの考え方を破壊し、今後数十年の間に広く普及して、社会に大きな影響を与えるだろう。

ベゾノミクスを推進するフライホイール

 ベゾノミクスの基本原則は、「顧客へのこだわり」「画期的なイノベーション」「長期的な視野に立った経営」の3つである。

 有能なCEOであれば誰でも、これらの原則に従っていると言うだろう。しかし大部分のCEOは、これらの原則を長期にわたって実行することに失敗している。ではなぜ、アマゾンは違うのか?

 ベゾスの秘密は、彼が「フライホイール」と呼んでいるもの、つまりベゾノミクスの3つの価値観を推進する、概念的なエンジンにある。

 それは社員の行動に影響を与える。同社の社員はあらゆる仕事を、顧客の生活をより良いものにするために行っている。その1つの方法は、買い物客が負担するコストを下げることだ。

 そうすることで、アマゾンを訪れる顧客の数を増やす。するとそれは、同社のプラットフォームに流れ込む客にリーチしたいと考える独立系小売業者を引き付け、より多くの収益を手にすることになる。それは「規模の経済」を実現し、さらにコストを下げることが可能になる。そしてコストが下がると、より多くの顧客が集まり、それはより多くの売り手を集め…というように、フライホイールの回転が続くことになる(下図)。

 

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