2020年6月号掲載

組織 「組織という有機体」のデザイン 28のボキャブラリー

組織 「組織という有機体」のデザイン 28のボキャブラリー ネット書店で購入
閉じる

ネット書店へのリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。

※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

企業が自社を改革する際、まず組織構造を変えようとすることがよくある。だが、それでは組織は変わらない。構造ではなく、人を動かす仕組みを変えることが先決だ。本書は、こうした仕組みを「組織デザインのボキャブラリー」と命名。その中から重要なものを選んで解説し、企業が真に生まれ変わるためのヒントを示す。

要約

組織デザインのボキャブラリー

 企業の経営戦略を実行する「組織」を構築するのは、容易ではない。組織改革に乗り出す企業は後を絶たないが、真に生まれ変わったという話はほとんど聞かない。

 組織を本当に変えたいのであれば、組織構造ではなく、組織を動かすための仕組みや仕掛けを変えなければならない。

 こうした組織内の人々の行動を左右する仕組みや仕掛けを、筆者は「組織デザインのボキャブラリー」と呼んでいる。それをいくつか見ていこう。

人の行動を変えること、すなわち行動変容こそが組織を変える目的である。

 組織改革の目的は、「組織を変える」ことではない。「人々の行動を変える」ことである。どんなに大々的な組織改革を行っても、人々が行動を変えず、昔通りの馴れ親しんだ行動をしているのであれば、その改革は失敗である。

 例えば、社内会議などに時間を取られ、顧客に会っている時間が少ないのは本末転倒である。時代遅れになっている自社の論理ではなく、今の時代を反映している顧客の論理で発想することを、本気で徹底しなくてはならない。それが行動変容の意味することである。

 情報を大量に集め、社内会議で「過剰消費」し、それで満足して行動に移らないという逆説的状況から脱し、「答えは外にある」と、常に答えを「外」に求めて機敏に動き回るようにするなど、これまでの行動を変える要素は数限りなくある。

 それを、組織デザインという、自分の組織にしか通用しない、極めて個別、具体的なアプローチを通じて仕掛けていくのである。

ほとんどの組織のデザインが、素人仕事に終わっている。

 組織をデザインするとは、意思決定、業績モニター・評価、人材育成・配置などの様々なオペレーティング・システム・ソフトウェア(OSS)を状況に合わせて個別、具体的につくり上げることである。それを行うには、しかるべき訓練と相応の経験に裏付けられた高度なスキルが要求される。

 素人デザインの特徴はいくつかある。

 第1に、「理想的組織をつくろう」と意気込むこと。こうした発想では時代の変化に対応できない。事業環境の変化や企業規模の拡大を超えて存在し続ける「理想的組織」などありえないからだ。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

よきリーダーは哲学に学ぶ

アリソン・レイノルズ CCCメディアハウス

BCG 次の10年で勝つ経営  企業のパーパス(存在意義)に立ち還る

ボストン コンサルティング グループ(編著) 日経BP・日本経済新聞出版本部

ザ・マネジャー 人の力を最大化する組織をつくる

ジム・クリフトン 日経BP・日本経済新聞出版

仕事の哲学 働く人が自ら考え、行動する会社とは

酒巻 久 PHP研究所