クリーンミート

Original Title :CLEAN MEAT

イノベーション科学・技術・環境社会・政治
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著者紹介

概要

「クリーンミート」とは、細胞から人工培養で作る食肉のこと。動物を殺さず、資源を節約でき、地球環境にも優しい。近年登場したこの手法は、「細胞農業」と呼ばれ、酵母で作る牛乳や鶏卵などの開発も進む。本書は、そんな食の最前線をリポート。さらに、遺伝子組み換え食品を怖がる消費者との向き合い方にも触れる。

要約

培養肉をつくる

 今、多くの食品関連スタートアップで、増加する世界の人口に十分な食料を供給し、地球環境を救うための商品が開発されている。

 そんなスタートアップの1つが、「モダンメドウ」である。同社は、牛の体外で細胞を培養し、牛肉とレザーを生産している。

 創業者のアンドラス・フォーガッシュは、たった1個の微小な細胞で、世界全体の牛肉需要をまかなえるという。この技術を完成させ、規模を拡大できれば、その意義の大きさははかり知れない。

 これまで通り肉を食べ、レザーを身に着けながらも、畜産システムによる動物の苦しみや、環境への負荷をなくせるかもしれないのだから。

世界中で増え続ける畜産物の消費量

 1960年から現在までに、地球の人口は2倍に増えた。同じ時期に畜産物の消費量は5倍に増えており、国連の予測では今後も増え続けるという。

 事態を複雑にしているのは、中国やインドなど、比較的貧しい国々の状況だ。そういう国の人々は、これまで主に植物中心の食生活を送っていた。それが近年、アメリカ流の食を要求し始めている。国が豊かになるにつれ、肉、卵、乳製品に、大勢の手が届くようになったからだ。

 持続可能性の専門家は、口をそろえて言う。動物を飼育して食料とすることは非常に効率が悪いため、畜産物の需要が急増すれば、地球はとうてい持ちこたえられない。気候の変動、森林破壊、水資源の枯渇が極度に深刻化するだろう、と。

 地球の人口は2050年までに、90~100億人にまで増加すると予測されている。その大半が現在の西欧人と同じような食生活を送れるほど豊かになった時、それだけの食の需要を満たすために必要な広大な土地やその他の大量の資源を、いったいどうしたら確保できるのだろう。

 例えば、1羽の鶏を卵から育て、鶏肉コーナーに並べるまでには、約3800リットルの水が使われている。これは鶏肉に限った話ではない。

 今後、人口が増加し続ける中、肉、牛乳、鶏卵を現在のペースで消費し続けようと思えば、生産効率を大幅に改善するしかない。

起業家たちが目指す世界

 今、研究者や起業家が成し遂げようとしているのは、まさにそれだ。彼らの目標は、本物の肉を培養することで動物の飼育や殺処分を不要にし、人々が牛肉、鶏肉、魚肉、豚肉を食べ続けられるようにすることだ。

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