2019年1月号掲載

習近平のデジタル文化大革命

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著者紹介

概要

ネットの検閲、全国規模での監視カメラの設置、個人情報の把握…。中国では今、習近平政権による「デジタル文化大革命」ともいうべき政策が進む。狙いは何か? 何を恐れてのことか? 中国政府のブラックリストに載った著者が、本革命の目的、驚くべき現状を報告。さらに、究極の監視社会へと突き進む中国の近未来を見通す。

要約

究極の監視社会へ

 2018年6月4日付の朝日新聞に、中国に関する次のような記事が掲載された。

 「…広東省深圳などでは横断歩道に監視カメラが据えられている。信号無視をした市民は顔認証で身元が割り出され、公安のホームページや現場のディスプレーに映し出される。

 可能にするのは情報技術の向上と、共産党政権が蓄積してきた約14億人分の膨大なデータだ」

 この記事には、習近平が始めた「デジタル文化大革命」と呼ぶべき政策の苛烈さが記されている。

 今、中国で進行しているデジタル文化大革命。それがどれほど危険であるか、中国の一般市民に、いかに非人間的な圧力を加えているか、その実態を見ていこう。

中国で進行中の『1984年』

 1948年に、イギリスの作家ジョージ・オーウェルが書いたSF小説『1984年』。この小説は、スターリンの独裁を批判することを目的に書かれた。そこに描かれるのは、独裁と監視社会が組み合わさった世界である。

 中国のデジタル文化大革命は、まさにオーウェルの小説を彷彿とさせるものがある。

 習近平政権は、ネットを通じて共産党独裁に都合の悪い情報が拡散することを恐れている。そのため、政権にとって都合の悪いことをブログなどに書くことは禁止されている。

 ネットの検閲には多くの人が関わり、数十万人にも及ぶ人員が監視に当たっているとされる。

 そして今、中国ではネットで使用できる単語がどんどん減少している。例えば、「習近平」という文字を書き込むことができない。この単語は「敏感詞(不適切な単語)」ということで自動的に削除されてしまう。この他にも、「皇帝」「天安門事件」「文化大革命」等々の敏感詞がある。

 まさに、言葉狩りの時代になっているのだ。

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