2018年12月号掲載

ビジネス心理学 100本ノック

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著者紹介

概要

営業、人事、組織運営など、ビジネスのあらゆる場面で使える心理学の基礎知識を、心理学者がわかりやすく説いた。営業担当者はセールスポイントをどのタイミングで伝えるべきか、会議で反対意見が言えない空気はどうしたら崩せるか…。若手からマネジメント層まで、幅広いビジネスパーソンに役立つ、実践的な知恵が満載!

要約

仕事の悩みに効くビジネス心理学

 ビジネスの世界は、心理学で動いている。

 「どうしたら上司を納得させられるか」「この商品を売り込むにはどんな戦略が有効か」「部下のやる気を引き出すにはどうしたらよいのか」…。こうした悩みは、すべて心理学のテーマである。

 そこで、ビジネスに活かせる心理学の知識をいくつか紹介しよう。

コミュニケーション・ギャップはなぜ生じるのか

 上司の指示通りにやったのに、「なぜこんなやり方をしたんだ!」と文句を言われる。取引先から、「納期は昨日だったはずですが?」と問い合わせがあったが、打ち合わせメモを見ても今週末に納入することになっている…。

 このように、「聞いた」「言ってない」、「言った」「聞いてない」といったスレ違いは日常的に起こる。なぜ、こうしたことが起こるのか。

 そこには、人間の自己中心的性格が絡んでいる。実は、誰もが自分に都合よく物事を知覚し(選択的知覚)、自分に都合よく物事を記憶している(選択的記憶)のである。

 例えば、納期を決めても、早く手に入れたいと思っている側はもっと早い納期だった気がしてくるし、納期がきついと思っている側はもっと遅い納期だった気がしてくる。そこにスレ違いが生じるのだ。このように記憶は都合よく変容するため、トラブルを防ぐには、メールなどでその都度確認し、記憶を共有しておくことが不可欠である。

不安が強い人の方が仕事ができるというのは本当か

 きちんと仕事ができ、成果も出しているのに、不安が強いタイプの人がいる。このタイプの部下には、「もっと自信を持ったらどうだ」と言いたくなるが、そのように声がけすると、うまくいっている仕事の流れが乱れてしまう可能性が高い。

 防衛的悲観主義者は、最悪の事態をあらゆる角度から想像し、失敗するのではないかと怖れる。そのため、用意周到に準備を行い、結果的に物事を滞りなく進行させる。つまり、不安だからパフォーマンスが良いのであって、楽観的になって不安が消えると、準備が疎かになり、かえってパフォーマンスが低下してしまう。だから、「ポジティブにいこう」といった安易な声がけは禁物だ。

先が見通せない時代にふさわしい生き方とは

 ITの発達により、人々のライフスタイルも仕事の形態もめまぐるしく変化する。そんな時代に自分のキャリアを切り開いていくには、不透明さに不安を感じるのではなく、不透明だからこそワクワクするといった心構えが求められる。

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