2016年10月号掲載
トヨタの失敗学 「ミス」を「成果」に変える仕事術
- 著者
- 出版社
- 発行日2016年8月7日
- 定価1,540円
- ページ数237ページ
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著者紹介
概要
トヨタ自動車の成功を支えるもの。それは、失敗を「改善の機会」と捉える現場だ。本書では、同社で活躍したベテラン技術者たちが、失敗を活かし、組織をさらに強い組織へ成長させるためのノウハウを紹介。誰がやっても失敗しない「しくみ」をつくる、失敗は書き残す等々、「ミス」を「成果」に変える仕事術が明かされる。
要約
トヨタの改善は「失敗」から始まる
トヨタに「失敗」という言葉はない。
もちろん現場では、不良やミス、トラブルは日常茶飯事。時には、リコールを出してしまうこともある。それでもトヨタの現場では、失敗という言葉は聞かれない。なぜか?
トヨタでは、不良やミスは「改善のチャンス」ととらえているからだ。失敗したら、皆で真因(真の原因)を追究し、「答え」を考える。
トヨタにとって、失敗は、よりよい仕事を実現し、強い組織をつくるための貴重な学びの機会になる。そう、失敗こそが成功につながる「宝の山」なのだ ―― 。
最初のひと言は「何が起こった?」
トヨタの上司は、部下が失敗しても、「何をやっているんだ!」と怒らない。起きてしまったことをとやかく言っても状況はよくならないからだ。
それよりも、問題の真因を見つけて改善し、再発しないような「しくみ」をつくることにエネルギーを使う。従って、上司は部下にまず理由を聞く。
「なぜ、こうなったのか?」
トヨタには、真因を突き止めるため「なぜ?」を5回繰り返すという文化がある。しつこいほどに「なぜ?」を繰り返し、真因に迫っていく。
ただし、「なぜ?」の問いかけ方には、少々注意が必要だ。言い方によっては「なぜ、そんなバカなことをしたのか?」と責められているように感じる人もいるだろう。
相手に「なぜ?」を問う時は、まずは「何が起こった?」と尋ねて事実を確認してから、真因を追究していくことをおすすめする。
誰がやっても失敗しない「しくみ」をつくる
トヨタでは、失敗の責任を個人に押しつけず、失敗しないしくみをつくることによって問題を解決する。すなわち、誰がやっても失敗しないようなしくみを考えるのだ。