2016年7月号掲載

シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

Original Title :THE SINGULARITY IS NEAR:When Humans Transcend Biology

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著者紹介

概要

人工知能(AI)の世界的権威、レイ・カーツワイル。彼の600頁を超える大著、『ポスト・ヒューマン誕生』の主要部分をまとめたエッセンス版である。説かれるのは、テクノロジーが急成長し、人間の生活を大きく変える「シンギュラリティ」(技術的特異点)について。人類が生物としての限界を超える、驚くべき未来が描かれる。

要約

「シンギュラリティ」とは?

 「シンギュラリティ(技術的特異点)」。

 それは、テクノロジーが急速に変化し、それにより甚大な影響がもたらされ、人間の生活が後戻りできないほどに変容してしまうような、来るべき未来のことだ。

 それは理想郷でも地獄でもないが、ビジネスモデルや、死をも含めた人間のライフサイクルといった、人生の意味を考える上でよりどころとしている概念が、この時、すっかり変容してしまう。

 迫りくるシンギュラリティという概念の根本には、次のような基本的な考え方がある。

 「テクノロジーの変化の速度は加速していて、その威力は、指数関数的な速度で拡大している」

 指数関数的な成長というものは、つい見過ごしてしまいがちだ。最初は目に見えないほどの変化なのに、やがて予期しなかったほど激しく、爆発的に成長する。変化の軌跡を注意深く見守っていないと、まったく思いもよらない結果になる。

 チェスの世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフは1992年に、コンピュータにチェスで負けるはずはない、と一笑に付した。ところが、コンピュータの性能は毎年2倍になっていき、わずか5年後にカスパロフを打ち負かした。

 コンピュータが人間の能力をしのぐ分野は、急速に増えている。その上、コンピュータの知能が使える仕事が広がっている。例えば、飛行機を飛ばして着陸させたり、自動制御兵器を使うかどうかを戦略的に判断したり、財政上の問題を検討したり…。過去には人間の知能に頼っていた課題をこなす責任を、今やコンピュータが負っている。

 シンギュラリティとは、我々の生物としての思考と存在がテクノロジーと融合する臨界点であり、その世界は、依然として人間的ではあっても生物としての基盤を超越している。

 

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