そうじ資本主義

マネジメント文化・思想・歴史
  • 著者
  • 出版社
  • 発行日
    2015年8月10日
  • 定価
    1,700円+税
  • ページ数
    239ページ
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著者紹介

概要

本田宗一郎、松下幸之助をはじめ、日本には“掃除”の重要性を説き、率先垂範する名経営者が少なくない。なぜか? ドイツの社会学者マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を糸口に、企業経営と掃除の関係性を探った。連帯感、徹底、感謝…。考察する中で見えてきたのは、日本企業を下支えする、忘れてはいけない「精神」だ。

要約

資本主義とキリスト教の関係性

 日本には、掃除を大切にする会社が少なくない。世界的に強い競争力を維持している会社の中には、整理・整頓・清掃・清潔・躾の「5S」を徹底しているところが多数ある。

 なぜ、日本企業は掃除や5Sを大切にするのか。単に綺麗にすること以上の意味があるのではないか。日本独自の経営観、日本人特有の人間観というものが根底にあるのではないか。

 私はそうした問題意識から、掃除と企業経営についての研究を続けてきた。その際、手にしたのがマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(以下『プロ倫』)だ。

 彼は、宗教を通じて人々に宿る精神、行動様式こそが資本主義が発達する土台になったことを示した。この書を踏まえた上で、掃除や5Sに注目してみると、その意味や意義が見えてきた ―― 。

ウェーバーが発見した資本主義とキリスト教の関係性

 ウェーバーが主張していること。それは、「キリスト教の中でもプロテスタント、特にカルヴィニズムという教理から生まれたピューリタンなどの宗派の信徒が多く住んでいる地域から、近代資本主義が始まった」ということだ。

 平たく言えば、「プロテスタント信徒が多い地域ほど、近代的な大企業が多い」という関係性を発見した。非科学的に思える宗教に熱心なことが、合理性の極みである近代資本主義の成立には不可欠である、という意外な関係性を見いだしたのだ。

なぜプロテスタントの信徒は懸命に働くのか?

 では、なぜカトリックではなく、プロテスタントの人々が近代資本主義の主役になったのか?

 カトリックの信徒は洗礼に始まり、結婚式や葬式など、何かというと教会に行く。儀礼によって救済を求めるのがカトリックである。

 しかし本来のキリスト教とは、教会に参拝することを求めた宗教ではない。神を信じることを求めた宗教である。そこで原点回帰を目指したのがプロテスタントだ。16世紀にルターが始めた宗教改革が起点となり、様々な宗派を生み出したが、共通するのが「聖書に帰れ」という考え方だ。

 その聖書の中で繰り返し説かれているのが、神を信じよということである。そして、その延長線上で説かれているのが「救済予定説」である。

 キリスト教では、神に救済されると神の国に行ける。ただ、神に救済されるかどうかは自分ではわからない。

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