幸福学

Original Title :HAPPINESS:HBR Emotional Intelligence Series

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著者紹介

概要

幸福な人は、不幸な人よりも、有能な働き手であり、意欲が高い ―― 。近年、世界的に盛んになりつつある「幸福学」の研究。本書は、この分野の名論文をまとめたものだ。価値観が多様化する今日、戦略性や論理性の他に求められる「感情的知性=EI」を柱にした、『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌「EIシリーズ」の一書。

要約

職場での幸福は重要である

アニー・マッキー(ペンシルバニア大学教育大学院シニアフェロー)

 人々はかつて、こう信じていた。職場で成功する上で、幸福感はいらない。同僚を好きになる必要もなく、彼らと価値観を共有することさえ不要である、と。

 だが、様々な研究は、ある事実を浮き彫りにしている。それは、幸福な人ほど有能な働き手であるということだ。仕事と同僚に対して「エンゲージメント」(意欲や愛着、一体感など)を持つ人は、より懸命に、そしてより賢明に働くのである。

職場における感情の重要性

 にもかかわらず、職場へのエンゲージメントを持たない人は多い。2013年にギャラップが発表した報告によれば、アメリカでエンゲージメントを持っている労働者は30%にとどまる。ほぼ5人に1人が、職場を嫌っている。

 職場が嫌いで幸福を感じていない人は、一緒に働いていて気持ちがいい相手ではなく、あまり価値貢献せず、組織にマイナスの影響を与える。彼らの感情と考え方が、他者の心理状態や仕事ぶりに大きく影響を及ぼすのである。

 結局のところ、私たちの感情のあり方は、思考のあり方と連動している。つまり、思考は感情に影響し、感情は思考に影響するのだ。

 今こそ、職場において感情は重要ではないという俗説を打破すべき時だ。感情、思考、行動の間には、神経学的に明白なつながりがあるのだ。

 人は強いネガティブな感情にとらわれると、目隠しされたようになる。すると、意識が苦しみの源泉にばかり向いてしまう。情報の処理、創造的な思考、適切な判断も妨げられる。

 不満や怒りは、思考とエンゲージメントを司る部分の機能停止を引き起こす。エンゲージメントの喪失は、自分を包むネガティブな感情に対する自然な、神経学的・心理学的な反応なのだ。

 しかし、注意すべきはネガティブな感情だけではない。極端にポジティブな感情も、同様の影響をもたらす。研究によれば、幸福感が大きすぎると、創造性が低下することがある。また、リスクの高い行動に走りかねない。

エンゲージメントを高める3つの要素

 では、エンゲージメントを高めて仕事の質を向上させるには、どうすればよいのだろうか。

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