2015年8月号掲載

プラクティカル・ドラッカー 英知を行動にかえる40項

Original Title :THE PRACTICAL DRUCKER:Applying the Wisdom of the World's Greatest Management Thinker

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著者紹介

概要

書名通り、「プラクティカル(実践的)」な書。マネジメントの大家、ピーター・ドラッカーの愛弟子が、師が遺した膨大な著作から重要なテーマを選び、実践的な解釈を示す。「みんなが知っていることはたいてい間違っている」「過去の成功にしがみつくと失敗する」…。これらドラッカーの教えを、現実のビジネスにどう生かすか、具体策が説かれる。

要約

常に「常識」を疑え

 本書は、ドラッカーの膨大な量の著作の中から最も重要なテーマを抽出し、彼の考えを「どのように」実践すべきかを説くものである。

 ドラッカーが、しばしば警鐘を鳴らしていたことがある。それは、「みんなが知っていることは、たいてい間違っている」ということだ。

 彼が強調したかったのは、常に常識を疑えということだ。それがどんなにもっともらしい常識だとしても、無条件に受け入れてはならない。「正しい」と思われていることは、高い確率で不正確だったり、事実無根だったりするからだ。

 1982年、市販の鎮痛薬タイレノールに有毒なシアン化合物が混入される事件が相次いだ。薬を服用した数人が死亡すると、たちまちパニックが拡大した。一夜にして売上は急降下し、発売元のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は製品のリコールと販売中止を決めた。

 これでタイレノールは終わったと、ほぼ誰もが思った。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「タイレノールは死んだ」と書いた。消費者の意識調査でも、「この製品を買うことは二度とない」と、ほぼすべての人が答えた。

 しかし、J&Jは製造中止を選ばず、効果的なPRキャンペーンを展開した。すると、わずか数カ月後には売上が急激に回復しはじめ、タイレノールは鎮痛薬市場のトップに返り咲いた。

 この成功を生んだのは、J&Jの経営陣が「みんなが知っていることは、たいてい間違っている」とみなして行動したことだった。同社は、大方の専門家と消費者の予想を信じず、タイレノールを復活させようと心に決め、この鎮痛薬を事件前よりさらに強力なブランドに成長させたのである。

 

過去の成功にしがみつくと失敗する

 ドラッカーは、「過去の成功にしがみつけば失敗が待っている」と語った。人類の歴史には、この原則を理解できなかったために倒れていった企業や産業、国家の屍が山をなしている。

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