2013年3月号掲載

本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えた世界のトップ企業50

Original Title :Grow:How Ideals Power Growth and Profit at the World's Greatest Companies

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著者紹介

概要

紙オムツのパンパースをはじめ、有名ブランドを数多く抱えるP&G。この“ブランド王国”の礎を築いた伝説的マーケター、ジム・ステンゲル氏が、企業の成長にとって不可欠な「ブランド理念」について述べた書である。アップル、グーグル、ザッポス…。世界の50のトップブランドを分析して導き出した、ビジネスで成果を出すための理念の法則を提言する。

要約

偉大なビジネスには偉大な理念がある

 企業が成長を遂げるためには何が必要なのか?頂点に上り詰め、その座を守り続けるために満たすべき条件とは、どのようなものなのか?

 私はずっと、この2つの問いの答えを知りたいと思ってきた。そして、その答えを見いだせた。

 それは、「人々の生活をよりよいものにする」ことを目標とする、ビジネスの枠組みだ。

 その枠組みの中核をなすのは、「ブランド理念」だ。「人々の生活をよりよいものにする」ことを目指す、全社共有のゴールのことである。

 ブランド理念は、その企業やブランドの根本的な存在目的である。ブランド理念を持つことは、社員に始まり顧客に至るまで、その企業やブランドが関わる全ての人々を末永く味方につけ、連帯させ、行動の背中を押し続ける唯一の手段だ。

 また、社内の人々が抱く中核的信念と、その企業やブランドが奉仕する人々が重んじる基本的価値を結びつける要素でもある。

 その結びつきがなければ、どのようなビジネスも本当の意味で抜きんでた存在にはなれない。

 あなたが商品やサービスを購入する時、ある特定の企業のものを選ぶ決め手になる要因は何か? それは、その企業のブランドイメージと評判、あなたとそのブランドのそれまでの関係ではないか。

 要するに、ビジネスで目覚ましい成果をあげたければ、ブランドを通じて魅力的な価値を打ち出すことが不可欠なのである。

ブランド理念を軸にビジネスを展開する

 私はP&Gの現場レベルの管理者として、さらにはグローバル・マーケティング責任者として、ブランド理念の力を目の当たりにしてきた。

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