2012年6月号掲載

なぜ、日本企業は「グローバル化」でつまずくのか 世界の先進企業に学ぶリーダー育成法

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著者紹介

概要

グローバル化が進む中、日本企業はその対応に苦しんでいる。成長著しい新興国市場での展開に立ち遅れ、先進国市場では、韓国など新興国企業に市場を奪われつつある。なぜか。スイスの世界的ビジネススクールIMDの学長とIMD日本代表が、日本企業のつまずきの要因を指摘し、グローバルな事業展開を担う人材の育て方を、先進企業の事例を交えつつ説く。

要約

グローバル化でつまずく理由

 毎年、新聞紙上をにぎわせる「世界競争力ランキング」をご存知だろうか。スイスのビジネススクールのIMDが、各国の「持続的に富を生み出す力」を比較し、世界の中で位置付けたものだ。

 この総合順位において、日本は1989年から92年まで1位だったが、2011年版では59カ国中26位。なぜ、このようなことになったのか。

 日本の通商白書に、デジタルテレビ、携帯電話、デスクトップパソコン、トイレタリー・化粧品という4つの商品カテゴリーについて、日米およびBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の各市場でのシェアを国籍別にまとめたデータがある。

 それを見ると、日本ブランドの商品は国内では5~8割という圧倒的なシェアだが、新興国では存在感が薄いことがわかる。代わりに欧米や中国、韓国などの企業が市場を分け合っている。日本企業が新興国市場への展開で立ち遅れている様子が見て取れる。

 そして、大切なのは、これら新興国市場はもはや小さな市場ではないという事実である。

*  *  *

 では、なぜ日本企業はグローバル化につまずいたのか。それには、4つの要因がある。

①「高品質」にこだわり続けた

 米国のコンシューマ・エレクトロニクス・ショーで2010年に発表された「世界家電ブランド50」では、ハイアール、TCL、ハイセンスなど中国の家電大手が上位に名を連ねている。

 日本企業は画質や音質などの作り込みによって、高付加価値を維持しようと必死に取り組んできた。だが、世界各国の市場において、テレビに一定以上の質を求めてプレミアムを払う消費者は少数だ。

 今日、普段に使うにはこれで十分というレベルの品質が、格段に安い価格で手に入るようになった。そうした市場で、どう戦っていくのか。

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