2011年3月号掲載

お金の流れが変わった! 新興国が動かす世界経済の新ルール

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著者紹介

概要

世界には今、投資先を探してさまよっている余剰資金が約4000兆円もあるといわれる。その主な出所は、中東産油国のオイル・マネーや、中国が貿易で稼いだ大量の外貨などだ。大前氏は、こうした余剰資金が世界のカネの流れを変えた、と指摘。もはや、財政出動や金利の上げ下げなどの「マクロ経済政策」では、景気をコントロールすることはできない、と説く。

要約

「ホームレス・マネー」に翻弄される世界

 これからの世界経済を考える上で、絶対に無視できない存在がある。それは、「ホームレス・マネー(無国籍マネー)」である。

 ホームレス・マネーとは、投資先を探して世界をさまよっている、不要不急で無責任極まりないカネのことで、その額は現在約4000兆円に上る。

ホームレス・マネーとは?

 このマネーの出所は、大きく分けて3つある。

 1つ目は、スウェーデン、アメリカ、ドイツ、イギリスといった、古くからOECD(経済協力開発機構)に加盟している国々の余剰資金。

 これらの国では年金、貯金、保険等の分野に十分なカネが貯まったが、金融緩和の結果、国内には満足のいくリターンを望める運用先がなくなった。それで、投資先を求め国外に出て行ったのだ。

 2つ目は、原油価格の高騰で中東産油国に積み上げられた多額のドル、つまりオイル・マネーだ。

 3つ目が、中国マネー。中国の外貨準備高は今や2兆7000億ドルに迫る。それを政府系ファンドの下、海外で運用するようになった。

 これらのホームレス・マネーの特徴は、非常に足が速いことだ。次はここだと誰かが言うと、瞬時にそこに向かう。少しでも危険な兆候が見えれば、われ先にと逃げ出して次の投資先に向かう。

 ホームレス・マネーは、ウォール街のわずか600人ほどのファンドマネジャーによって運用されている。運用といってもその実は、「プログラム売買」するにすぎない。

 例えば、これから株式インデックスの上昇率が大きいのは、人口が多く、教育レベルが高い国ということになると、その条件をコンピュータに入力し、出てきた国の株式市場に機械的に投資する。

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