2008年10月号掲載

ライフコース・マーケティング 結婚、出産、仕事の選択をたどって女性消費の深層を読み解く

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概要

20代で結婚し、専業主婦となり、子供を産んで育児に専念する…。このような人生が女性にとって標準的であった時代は終わった。現代女性のライフコース(人生行路)は多様化し、それに伴って消費行動も複雑化している。本書では、女性のライフコースを、就業や結婚など、人生の選択肢に沿って分類し、各コースに潜在するニーズを探り出す。マーケター必読の1冊。

要約

多様化する女性のライフコース

 「ライフコース」とは、文字通り「個人が一生の間にたどる人生の道筋」のことを指す。

 人は一生の間に、就学、就業、結婚といったライフイベントを経験し、そこで様々な役割を担う。

 特に、女性のライフイベントでの選択の結果は、新たな社会変動や消費動向を生み出す。例えば、晩婚化や非婚化といった結婚行動の変化、晩産化や少産化といった出生行動の変化がもたらす少子化は、まさに女性のライフコース変化の結果だ。

 今日、女性のライフコースは、働き方を軸として多様化しつつある。

 学習院大学経済経営研究所が、2006年より首都圏在住の20~59歳の女性約1500人を対象に実施している、「女性の就業と消費意識に関するパネル調査」という調査がある。

 そのデータを基に、結婚や出産後も続けて働いているか否か、離職した場合はその契機が結婚か出産か、あるいは離職後、復職したかを精査した。

 それを整理すると、ライフコース類型は大きく、次の主要3層、さらに、その中を7つのライフコースに分けることができる。

・継続就業層

    • ①ワーキング・シングル
    • ②DINKS(Double Income No Kids)
    • ③継続就業マザー

・復職層

    • ④結婚退職後復職
    • ⑤出産退職後復職

・離職層

    • ⑥結婚契機離職
    • ⑦出産契機離職

 各ライフコースの出現率は、継続就業層32%、復職層28%、離職層31%と、ほぼ3分割されている。かつて最も標準的なライフコースだった離職層(=専業主婦層)は今では3分の1に過ぎず、間違いなく女性のライフコースは多様化している。

 

3つの「深層ニーズ」

 女性のライフコースの多様化を後押しする要因の中で、誰にでも起こり得る要因として、次の3点が挙げられる。

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