2004年12月号掲載

渋沢栄一「論語」の読み方

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著者紹介

概要

「日本資本主義の父」渋沢栄一氏は、終生『論語』を手放さず、「論語で事業を経営してみせる」とまで言ったという。本書は、氏がどのように論語を解釈し、自らの人生観の確立、事業行動につなげていったのかを、論語の言葉を解説しつつ紹介する。氏は「論語と算盤は一致する」という言葉を残したが、今の世の中、算盤ばかりが優先している!

要約

今もなお実用的な孔子の教訓

 孔子は、「故きを温ねて、而して新しきを知る。以て師と為るべしか」と、古いことを学びながら、新たに進むための知識を得る重要性を説いた。

 また、「巧言令色には鮮し仁(言語弁舌を巧みに使い飾り、外面の体裁にだけこだわる人には、仁者は少ない)」と門人たちを戒めた。

 この“仁”の一字は孔子の生命であり、『論語』20篇の血液である。仁をもって倫理・政治の基本とした孔子の教訓は、今日でも万人が納得し実行できる数々の基本道理を説いている。

*  *  *

子曰く、学びて時にこれを習う。また説ばしからずや。朋遠方より来たるあり。また楽しからずや。人知らずして慍らず。また君子ならずや。

 この言葉は人の処世上最も大切な教訓であり、『論語』の冒頭に掲げられている。

 「学びて時にこれを習う。また説ばしからずや」とは、学問をして、それを日常生活の中でいつも自分のものとして復習練習すれば、学んだものは全て自分の知識となり、物我一体の境地に達することができる、ということだ。

 「朋遠方より来たるあり」とは、同学同志の友が遠近問わず自分を訪ねて来て、ともに切磋琢磨すればますます進歩する、ということである。

 自分の学問が成就し、立派になったのに世間が認めてくれないこともある。それでも人を恨まず、天をとがめず、ひたすらにその道を楽しむのは、徳の完成した君子にして初めてできることである。これが「人知らずして慍らず、また君子ならずや」の意味である。

曾子曰く、吾、日に三たび吾が身を省みる。人のために謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、伝わりて習わざるか。

 人のために忠実に行動し、友人に信義を尽くし、孔子の仁道を行うならば、人から恨まれることなく、その家業は繁盛し、政治家は必ず国民に尊敬されるはずである。

 この言葉通り実行すれば、今後の行いを慎しむ上で効果がある。また、その日のことが1つ1つ記憶の上に展開されてくるために、深い印象が頭に刻まれて自然に忘れられないようになり、記憶力を増強する効能もある。

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