2026年3月号掲載
独裁者の倒し方 暴君たちの実は危うい権力構造
Original Title :HOW TYRANTS FALL (2024年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2026年1月20日
- 定価2,420円
- ページ数317ページ
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著者紹介
概要
政敵を一声で葬り、民衆の抗議行動は容赦なく弾圧する…。独裁者には、「誰も逆らえない絶対的な権力者」というイメージがある。だが実は、その権力基盤は意外に不安定だ。例えば、粛清を恐れる側近が叛旗を翻し、倒されるかもしれない。こうした独裁制がはらむ脆弱性を明らかにし、独裁者を倒すためにすべきことを説く。
要約
独裁体制の歴史
独裁体制には長い歴史がある。
人間は、有史時代を通して、独裁者の支配の下で苦しんできた。首長、王、皇帝など、独裁者は様々だが、社会は独裁制の下に組織されていた。
独裁者はいつの時代にも存在する
第2次世界大戦が終わった時点で、世界各国の90%以上が民主体制ではなかった。
その後、冷戦の間は東西どちらの陣営も、自らの利益に適うと判断すれば、独裁者を支援した。中国は、ポル・ポト政権が殺戮を行っている間も、この政権を存続させた。アメリカはドミノ現象が起こることを心配し、韓国とヴェトナムの独裁体制を守るために戦争を行った。
冷戦が終わると、民主主義が花開いた。2012年には、閉鎖的権威主義の国(国民に何の選択権もない国)は12%未満しか残っていなかった。
だが、独裁政治は消え去っていない。
21世紀に入り、ウラジーミル・プーチンはヨーロッパ大陸全土を不安定にし、戦争犯罪を重ねた。習近平(シージンピン)は中国共産党のトップとして終身体制を固めた後、「思い切って戦う」べきだ、と将軍たちをけしかけた。そして、世界に残る独裁者たちは、自国民や敵対者たちを迫害し続けている。
独裁者を倒す
独裁者を倒すというのは、机上の空論のように思える。何しろ、独裁政治は安定性が際立っているように見えるのだから。例えば北朝鮮は、父、子、孫によって、半世紀以上支配されている。
だが詳しく見てみると、独裁主義の安定性は、蜃気楼のようなものであることがすぐわかる。
これらの独裁体制は民主体制とは違い、単一の人物あるいは少数のエリート集団を中心に回るようにできている。そのようなシステムは、強靭性を持ち合わせていない。
独裁者を倒す試みの大半が失敗に終わるのは、独裁者たちが周到に備えているからだ。だが、それでも必ず、彼らは失脚する。