2025年12月号掲載

組織は倫理をないがしろにする 戦略的に「誠実性」をデザインする

Original Title :INTENTIONAL INTEGRITY:HOW SMART COMPANIES CAN LEAD AN ETHICAL REVOLUTION(2020年刊)

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著者紹介

概要

著者は、著名テック企業の元チーフ倫理オフィサー。今、セクハラや個人情報の悪用などの不品行で信用を失う企業は少なくない。そうした時代に必要なのは、自社の隅々まで“誠実性”を根付かせること。カギとなるのは、「トップ=Chief」をはじめとする「6つのC」だ。これら6つを軸に、誠実な組織作りのポイントを解説する。

要約

誠実性はトップから始まる

 私はかつて、エアビーアンドビーで3年以上、グローバル法務チームを率いた。そしてその中で、様々な問題に直面してきた。

 ある時は、海をまたいだ地域間の摩擦に悩まされ、次の瞬間には小さな町の条例に取り組んだ。またある時は、米国の白人至上主義団体が支持者に向けて、集会参加時の宿泊にエアビーアンドビーの利用を促しているのを知り、対処法を考えた。

 今、公衆は、企業が何をやりたがっているのかを警戒するようになっている。個人データの悪用、性的不品行、利益を独占する強欲な取引といった行動が、企業に対する信頼を劣化させてきたのだ。

 私は、企業には世界をより良い場所にできる力があると信じている。だがそのためには、越えねばならないハードルがある。「意図的誠実性」という考え方を、ビジネスリーダーが積極的に受け入れなくてはならないのである。

 意図的誠実性とは、単に善良であらんと誓うことではない。それは、いくつかの課題に、真剣かつ徹底した努力で臨むことを意味する。

 まずは、組織の目的と、組織がよって立つ価値観を明らかにすること。次に、その価値を反映したルールを作り出すこと。さらにはそのルールを守る重要性を、企業のあらゆるレベルに隅々まで周知することである。

 私は、そうした取り組み全体を一言でまとめて、「6つのC」と呼んでいる。

規則は「自分で守れる規則」にする

 CEOが最初に求められるのは、自分が作ろうとする規則は、自分が守れるものでなくてはならないと理解しておくことである。作っておいて自分で無視することは責任の放棄である。

 アプライドマテリアルの元CEOジェームズ・モーガンはこう強調する。

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