チャールズ・T・マンガーの金言

チャーリーの投資アプローチ

　バークシャー・ハザウェイの類まれな物語を支えてきたのは2人の金融の天才だ。1人は言わずと知れたウォーレン・バフェット、もう1人はそのパートナー、チャーリー・マンガーである。

　1964年にウォーレンが経営権を握って以来、バークシャーの株式時価総額は1000万ドルから約1350億ドルヘと増えた。こうした凄まじい成長は、この2人の並外れた功績によるものだ。

　かつてウォーレンはこう言った。

　「チャーリーはどんな案件でも、この世の誰よりも速く的確に分析・評価することができる」

卓越した投資実績を生み出したもの

　チャーリーの投資アプローチは、多くの投資家が採用するものとはまったく違う。彼は企業の財務情報だけに頼った表面的な評価ではなく、投資先候補企業の内部状況と、その企業が活動している分野のより広く総合的なビジネス環境（エコシステム）の両方を材料とした包括的な分析を行う。

　そして、その作業のために用いるツールを多重メンタルモデルと呼んでいる。これは歴史学、心理学、生理学、数学、工学などの学問領域から分析ツールや手法を取り入れ、結びつけたものだ。

　投資というものを始めて以来、人類は簡単に富を築くための魔法の呪文を探し求めてきた。お察しのように、チャーリーの卓越した投資実績は、魔法によって生まれたわけではない。

　チャーリーの卓越した投資実績は、本人が言うところの「より良い思考方法を絶えず追求する姿勢」や、独自の多分野横断的な分析モデルの並々ならぬ成果がもたらしたものだ。さらにその源泉を突きつめれば、チャーリーが基本とする行動指針、つまり準備、規律、忍耐、決断力という人生の基本理念へと行きつく。

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　チャーリーは20年にわたり、自身が関心を抱く幅広い分野について講演などで語ってきた。その記録からは、彼が拠り所とする多種多様なアイデアや慣行を学ぶことができる。例えば ――