2022年9月号掲載

仮想通貨とWeb3.0革命

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著者紹介

概要

インターネットは、ウェブサイトや電子メールの登場(Web1)から、スマホやSNSの隆盛(Web2)へと変遷してきた。そして今、Web3が世界を変えつつある。それは、GAFAなどの巨大な既得権益層から個人が権利を取り戻す動きのことだ。Web3の本質は何か、社会に与える影響とは…。米大手暗号資産取引所の日本代表が語る。

要約

世界を変えたWeb3

 インターネットが一般に普及し始めた1990年代、ネット上のコンテンツは作成者側から利用者に対して一方的に拡散されていた。この世代はWeb1と呼ばれている。

 2000年代に入ると、フェイスブックやツイッターなどのサービスを使えば、利用者は簡単にコンテンツを作成できるようになった。この世代はWeb2と呼ばれている。GAFAと総称されるグーグル、アップル、フェイスブック(メタ)、アマゾンはこうしたWeb2の申し子である。

 Web2では、これらの企業がサービスを提供するプラットフォームを「一方的に」構築し、利用者はそのプラットフォームに対して直接的な影響力を持つことはない。こうしたことから、Web2の企業は「中央集権的」であるといわれている。

 彼らは民主主義的な手続きを経て選ばれたわけではない。Web2では、本当の意味で利用者がコンテンツの保有者にはなれなかったのだ。

 こうした文脈で登場したのがWeb3である。Web3とは、インターネットを利用することで生まれる個人の利益や権利を企業から利用者に移すムーブメントのことを指している。

 利用者がコンテンツの保有者になり、個人であってもプラットフォームの設計に携わり、サービスの提供主体となれる。そんな自由な世界観だ。

改めて問われる「保有」の概念

 ゲームを例に、Web2とWeb3の違いを見てみよう。Web2では、ゲーム内で獲得できるアイテムに対する直接的な権利は利用者にはなかった。仮にゲーム会社が倒産すれば、利用者の獲得したアイテムは消えてなくなる。

 一方、Web3では、Web2におけるゲーム会社のような存在が倒産しても、ゲーム内で獲得したアイテムは利用者が保有し続けられることになる。

 ゲームが、そのゲームの作成で中心的な役割を果たした会社1社ではなく、DAO(ダオ:Decentralized Autonomous Organization)と呼ばれる自律分散型組織によって運営されるからだ。

 DAOは、ゲーム会社が立ち上げメンバーとして参画することが多いが、利用者も多く参加する。これは、ゲームの今後の方針や報酬の分配などを民主主義的なプロセスを経て決めることが目的だ。

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