2022年6月号掲載

ヒトラーとは何か

Original Title :ANMERKUNGEN ZU HITLER

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著者紹介

概要

アドルフ・ヒトラー。歴史上類を見ない、この独裁者がいなければ、今日の世界は違うものになっていただろう。彼は、一体どんな人間だったのか。生い立ち、政治的成功、そして戦争、ユダヤ人虐殺。その軌跡をたどり、背後にある世界観を描き出す。同時代を生きたジャーナリストによる、独自の解釈が光る、ヒトラー評伝の名著だ。

要約

遍歴・実績

 アドルフ・ヒトラーの父親は、たたきあげの人だった。女中の私生児に生まれながら、高級役人にまでのぼりつめ、功なり名をとげて死んだ。

 一方、息子は落ちこぼれだった。美術学校の受験に失敗し、25歳まで職にも就かず、親の残した遺産を食いつぶしながら暮らした。

 1914年に第一次世界大戦が勃発すると、志願して軍隊に入った。4年間前線で戦い、第1級、第2級の鉄十字勲章をもらった。だが、上等兵以上には昇進できなかった。1919年、30歳のヒトラーは小さな極右政党(ドイツ労働者党)に入った。彼の政治キャリアはここに始まった。

比類なき演説能力

 1920年2月、ヒトラーは大集会において初めて演説をし、大成功をおさめた。

 彼に集団催眠の能力のあったことはよく知られている。大衆をある種の恍惚状態に陥らせることができたのだ。この集団催眠能力は、彼の政治生命を支えた、ただ1つの資本だった。

経済の奇跡

 ヒトラーは12年間ドイツを支配した。首相になった1933年当時はまだ、ドイツ人の半数以上が彼に敵対していた。だが、この男の実績を目にして、そうした人々の心に信頼や熱狂が生じた。

 ヒトラーの実績の中で、群を抜いて他を圧倒していたのは、なんといっても経済の奇跡である。

 1933年1月、ドイツの失業者は600万人だった。だが、わずか3年で完全雇用が実現する。さらに、不況から好況への転換が賃金や物価が安定したままになされた。国民はこの奇跡に感激する。

軍備拡張

 経済の奇跡と同じくらい人々の度肝をぬいたのが、ドイツの軍備拡張だった。

 ヒトラーが首相になった頃、ドイツには10万の兵しかなかった。近代兵器も空軍もなかった。

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