2022年2月号掲載

エンベデッド・ファイナンスの衝撃 すべての企業は金融サービス企業になる

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著者紹介

概要

「エンベデッド・ファイナンス」とは、「非金融企業が既存サービスに金融サービスを組み込んで提供する」こと。これが今、小売や通信、ITなど各種業界に広がっている。金融サービスを組み込むことで、顧客満足や購入金額の拡大が望めるからだ。この新たな金融サービスはどのようなものか、定義、事例など、詳しく紹介する。

要約

エンベデッド・ファイナンスとは?

 「エンベデッド・ファイナンス(Embedded Finance)」 ―― 。

 これは、日本語では「組み込み金融」「埋め込み金融」などと呼ばれる、新たな金融サービスの潮流である。

 簡単にいえば、「金融以外の事業を展開する非金融企業が、既存サービスに金融サービスを組み込んで提供する」ことだ。

 ポイントは「既存サービスに金融サービスを組み込む」という点。すなわち、単に金融サービス会社を紹介したり、子会社を通じて金融サービスを提供したりするだけでは、エンベデッド・ファイナンスとは呼べない。

 エンベデッド・ファイナンスは、大きく分けて5つの領域がある。

エンベデッド・ペイメント

 現時点で最も市場規模が大きく、今後も拡大していくと予想されているのが、「エンベデッド・ペイメント(組み込み型決済)」である。

 これは、ウェブサイトやスマホアプリに支払いプログラムが組み込まれ、消費者がストレスなく支払い処理ができるものを指す。

 組み込み型決済が重要なのは、CX(顧客体験)に大きな影響を及ぼすからだ。好例が、ECサイトだ。買い物をするたびに個人情報の入力が必要だったり、画面遷移の回数が多かったりすると、「カゴ落ち」率が増加する。カゴ落ちとは、ECサイトで消費者が商品をカートに追加したものの、決済を完了する前に離脱してしまうこと。この場合、決済完了までの手間を減らすことがカゴ落ちの防止につながり、結果としてCXは向上する。

 例えば、英国のバークレイカードがレストランに適用している仕組みでは、食事を終えた客は店内で支払いをしなくてよい。料金はアプリに登録済みのクレジットカードから自動的に支払われる。

 ここでの重要なポイントは、消費者の購買行動の動線に決済プロセスが埋め込まれることによって、消費者の利便性が格段に向上する点である。

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