2020年12月号掲載

いかなる時代環境でも利益を出す仕組み

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著者紹介

概要

コロナ渦にあっても成長を続けるアイリスオーヤマ。その強さの秘密を、同社会長が明かした。自らの手で環境をコントロールする。マーケットインではなくユーザーイン。経常利益の50%を新市場の開拓に回す…。目先の利益を追うのでなく、どんな環境下でも利益を出す。そのための仕組みづくりを詳述した、実践的な経営書だ。

要約

「環境変化に対応」か「環境を自ら変革」か

 2020年を境に、世界は大転換するだろう。アフターコロナはニューノーマル(新常態)になる。そして、会社をどう舵取りするかというマネジメントの仕方も、ニューノーマルが求められる ―― 。

なぜ、マスクの大量供給ができたのか

 アイリスオーヤマの業績は、園芸用品、LED照明、収納家具など、ホームセンター向けの売上が前期より2ケタ伸びている。一方、国内のネット通販事業は売上が前期の2倍で推移している。

 2020年12月期のグループ売上高は、前期比40%増の約7000億円を見込んでいる。2019年12月期の5000億円から一気に2000億円増える。

 売上が急増しても、工場や物流がパンクすることはない。当社では、あらゆる設備の稼働率を7割以下にとどめている。注文が増えて7割を超えるようなら、工場を増床するか、新たに建てる。生産体制に余裕があると、何かの需要が急に出現した時、瞬時に増産できる。コロナ下で、マスクの大増産ができた理由もそれである。

 2011年の東日本大震災の後、LED照明を一気に拡販し、LED電球で国内トップシェアになった。それができたのも、工場に余裕があったからだ。

ビジネスチャンス優先の経営

 最近、次のように言われることが増えた。

 「アイリスはいつも世の中がピンチの時に業績を伸ばしますね。もともと作っていた製品が追い風を受けて儲かる。運がいい」

 運ではない。危機の時に必ず業績を伸ばせる経営をしているからだ。いつ何時、チャンスが出現してもすぐに対応できるように、常に備えている。

 環境の変化を自社の成長に取り込むためには、目先の効率をあえて下げ、資本を分散させる戦略も必要である。「稼働率7割」はその1つだ。

 もっとも、最初からそんな経営ができたわけではない。1973年の第1次オイルショックの時、会社を潰しかけた。あんなにみじめな経験は二度としたくないと思い、どんな環境でも利益の出せる仕組みを確立すると誓ったのだ。

オイルショックで倒産の危機

 1964年、父が他界し、私は父が東大阪で創業した大山ブロー工業所を19歳で継いだ。プラスチック製品の下請け加工を行う零細企業だった。

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