2000年9月号掲載

アマゾン・ドット・コム

Original Title :AMAZON. COM.

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著者紹介

概要

創業からわずか数年で、売上高10億ドル超の企業に成長した、「アマゾン・ドット・コム」。この、世界最大のオンライン書店に、全米でベストセラーとなった、『ノードストローム・ウェイ』の著者としても知られる、人気ビジネス・ジャーナリストが迫った。創業者ジェフ・ベゾスの人物像から、成長に向けた同社のビジネス戦略までが明らかに!

要約

ウェブ販売には書籍が最適だ!

 アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾスは、プリンストン大学で電子工学とコンピューター・サイエンスの工学理学士号を取得し、首席で卒業した秀才である。

 卒業後、創立間もない金融テレコミュニケーション会社に入社、2年後、バンカース・トラスト社に転職し、10カ月後には26歳で同社史上最年少の副社長となる。その2年後には、D・E・ショー社の副社長としてヘッドハンティングされた。

 D・E・ショー社に在籍していた時、彼はインターネット事業のビジネスチャンスを調査していた。ウェブ販売に最適な商品の調査を進めるうちに、彼は書籍と音楽が有望だと気づいた。

 だが音楽は、大手レコード会社6社が業界を支配し、流通をコントロールしているために、ビジネスがやりにくい。一方、書籍業界は強力な特定企業に支配されることもなく、商品も豊富である。

 ベゾスは考えた ―― 「これだけ膨大で多様な商品があれば、これまで存在しなかったあらゆる種類の在庫を揃えたスーパーストアを構築できる。顧客もそれを評価してくれるだろう」。

 オンライン書店なら、顧客は全ての書籍を網羅したデータベースに簡単にアクセスできる。書評などの情報を提供すれば、顧客の購入決定も簡単になる。そして、集中化された注文・配送拠点から巨大な国際市場に供給すれば、物理的な大型書店よりもはるかに無駄を省いた経営ができる…。

 ベゾスがインターネットで販売する商品として書籍に狙いを定めたもう1つの大きな理由は、「本を知らない人はいない」ことである。インターネットで買える本は、実際の書店で買う本と全く同じ物であり、商品を説明する必要がない。

 ベゾスは、D・E・ショー社のインターネット事業は書籍販売にするべきだと進言したが、提案は却下された。そこでベゾスは会社を辞め、1995年、2人の仲間とともに、ガレージを改装したオフィスでアマゾン・ドット・コムをスタートさせ、自らインターネット書店を始めたのである。

史上最高の顧客志向型企業

 ベゾスは、アマゾン・ドット・コムを「史上最高の顧客志向型企業」にしたいと考えている。

 それは、「好意的な口コミ」がどんな有料広告よりも消費者の認知を獲得する効果が大きいことを知っているからである。

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