タックスヘイブン

Original Title :TAX HAVENS:How Globalization Really Works

金融・財務・会計投資・資産運用社会・政治
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著者紹介

概要

副題「グローバル経済の見えざる中心のメカニズムと実態」。言葉は耳にするものの、実態はベールに包まれた“タックスヘイブン”に斬り込んだ書だ。マネーロンダリングと関わりの深い、グローバル闇経済。その調査・研究を長年行ってきた3人の著者が、タックスヘイブンのメカニズムや世界経済への影響など、全容を解明する。

要約

タックスヘイブンとは何か?

 タックスヘイブン ―― 。この言葉は、1950年代から広く使われてきた。それにもかかわらず、その意味について一致した意見はない。

 典型的なタックスヘイブンは、非居住者の企業や預金者に対して、ゼロあるいはゼロに近い税率を提供する国である。

 そのようなヘイブンは、次の3つの方法の1つ以上を採用することで、それを実現している。

①“低税率”あるいは“無税”

 第一に、タックスヘイブンは概して、居住納税者と非居住納税者を区別している。非居住納税者に対する税率は極めて低いか、名目上ゼロだ。

 しかし、非居住者がまったく課税されないというわけではない。非居住納税者は、ライセンス料や登記料などの形で課税されている。例えばバヌアツ共和国では、企業登記に150米ドル、その企業の登記を維持するために年300米ドルかかる。

 また、雇用税、関税、印税、財産税 ―― 現地人を雇い、現地事務所を維持するために大半のタックスヘイブンに要求される ―― を課す傾向にあり、非居住者の事業は間接的に税を支払っている。こうした総額は、タックスヘイブンの経済に大きく貢献し、直接税税収の不足を補っている。

②秘密保持条項

 もう1つの特質は、厳格な守秘義務だ。タックスヘイブンについては、税率よりもむしろ“不透明性”こそ、主要な特徴だと主張する人もいる。

 最も一般的なのは、銀行秘密法だ。スイスは銀行秘密の法的概念の創始国とされ、1934年の銀行法に記されている。この法律では、いかなる銀行の従業員も、理由の如何を問わず、銀行の情報を開示すれば刑事犯罪になる。

 しかし、これを実施しているのは、もはやスイスだけではない。大半のタックスヘイブンにおける規範となっている。

 また、所有権と目的がわかりにくい事業体の設立も許可される。これも不透明性を生むものの1つである。

③ゆるくて柔軟な法人設立

 タックスヘイブンの3つめの特徴は、事業体が法人化する時の簡便さ、法人化する時に匿名性が保証される簡便さ、ひいてはその結果生じた有限責任会社を運営する簡便さである。

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