2019年7月号掲載

イヤなやつほど仕事がデキる なぜルールに従わない人が成功するのか

Original Title :Rebel Talent

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著者紹介

概要

職場のルールを破る厄介者は、周囲から疎まれる。しかし、和を乱す“イヤなやつ”は、現状に物申し、斬新な方法を見つけるイノベーターでもある。そんな前向きで、建設的な「反逆者」たちに迫った書だ。様々な企業を研究する中で見いだした、彼らに共通する5つの要素を解説。反逆性が意欲をもたらすことを明らかにする。

要約

ルールを破ると成功する

 イタリアに、「オステリア・フランチェスカーナ」というミシュラン三つ星レストランがある。2016年に、イタリアのレストランとして史上初めて「世界ベスト・レストラン50」の1位に選ばれた店だ。

 イタリア料理は、厳格なルールと伝統に則って調理される。伝統あるレシピをアレンジするなど、もってのほかだ。だが、オステリア・フランチェスカーナのオーナーシェフであるマッシモ・ボットゥーラは、伝統的な料理法に従わない。

 例えば、ボッリート・ミストという伝統料理(牛のモツやタンを長時間煮込む料理)を、真空パックした食材を湯でゆっくり加熱する、真空調理の手法で作る。「ゆでないゆで肉(ボッリート・ノン・ボッリート)」という一品だ。

 彼は実験を重ね、真空調理の手法を使えば、肉の味と食感が格段によくなることを発見したのだ。

型破りなやり方が成功をもたらす

 私はハーバード・ビジネス・スクールで、ファストフードチェーンのケーススタディを書いた後、その対極にある高級レストランの運営に興味をもち、ボットゥーラに連絡をとった。すると彼は、自分のビジネスを理解するにはキッチンで1日、ダイニングでもう1日働かねばならないと言う。

 そこで、レストランを訪れた。私がダイニングルームに行くと、給仕長が笑顔で迎えてくれた。数分後、私は皿とグラスを拭いていた。

 世界一のレストランのダイニングルームに、ど素人を配属するなど、とても型破りなことで、他の高級レストランならまずやらない。

 これが彼のいつものやり方だ。伝統によって固定化されたルールが支配する環境で、一見無謀と思われる行動を取りながら、なぜかすべてがうまく行き、とてつもない成功を遂げているのだ。

「反逆性」がイノベーションのカギ

 そして研究を続けるうちに、ルール破りがイノベーションを生むことにも気がついた。

 私が出会った反逆者たちは、職種もまちまちで、1人1人が個性的だったが、全員に共通する資質があった。私はこれを「反逆性」と名づけ、カギとなる「5つの要素」を選び出した。

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