2019年3月号掲載

世界を動かすイノベーターの条件 非常識に発想し、実現できるのはなぜか?

Original Title :Quirky:The Remarkable Story of the Traits, Foibles, and Genius of Breakthrough Innovators Who Changed the World

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著者紹介

概要

イノベーション研究の第一人者が、エジソンやスティーブ・ジョブズといった並外れたイノベーターの生涯をひもとき、共通する資質を探った。孤独になる時間を持つ、自己効力感を高める、壮大な夢を抱く…。明かされる彼らの特性は、普通の人でも活用可能。私たちの内にあるイノベーションの可能性を育む上で役立つだろう。

要約

孤立意識

 トマス・エジソン、アルバート・アインシュタイン、ベンジャミン・フランクリン、スティーブ・ジョブズ、イーロン・マスク…。

 なぜ、ある種の人々は並外れて革新的なのか?こうした時代を画するイノベーターを調べていくと、いくつかの共通点が明らかになった。

「私は我が道を行く…」

 画期的なイノベーションを次々と生み出した人の多くに共通して見られるものに、自分は世間の人とは違っており、人とは切り離された存在だという「孤立意識」がある。

 例えば、アインシュタインは幼い頃から自分の世界にこもりがちで、よそよそしく反抗的な態度は悪名高かった。精神分析医の中には、彼には軽い自閉症があり、そのために周囲の人に対する理解を深めるのが不得意だったと考える者もいる。

 実は、孤立はスケールの大きい並外れたアイデアを生み出す助けとなる。

 ほとんどのイノベーターに共通して見られるのが、児童期や青年期に長い時間を1人で過ごし、関心があったものをさらに追求したことだ。

 孤独な時間は創造性には有益で、関心を抱いたものについて思索し追求する時間を提供してくれる。さらに、他人の意見に左右されずに、この世界の仕組みについての確信を深めたり、自分とは何かを問うたりするのにも有効だ。

 孤独はまた、他人の思考の悪影響を受けることなく、自分の考えを築くことを可能にしてくれる。

創造は1人で行うもの

 この発想法は半世紀ほど前、アレックス・オズボーンが、「1人で考えるより集団で考える方がアイデアを多く発想できる」と唱えて以来、ビジネスで広く取り入れられてきた。

 ところが、その後の研究で、オズボーンの見解と逆の結果が出た。集団で考えた方が、1人で考えた時より生まれるアイデアが少なく、しかも斬新さに欠けるというのである。なぜか?