2018年5月号掲載

スマホが学力を破壊する

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著者紹介

概要

スマートフォン(スマホ)を使う時間が長いほど、子どもの成績が下がる ―― 。「脳トレ」の第一人者が、スマホ使用の危険性や、脳に及ぼされる影響を、数年間にわたる大規模調査の結果を基に解き明かした。今や青少年の約95%が利用するスマホ。親も子も共に使い方を考えなければ、脳機能はどんどん低下すると警鐘を鳴らす。

要約

スマホを使うだけで成績が下がる!?

 2010年より急激に普及し始めたスマートフォン(スマホ)は、今や私たちの生活になくてはならないものとなっている。しかし、スマホには子どもの学力破壊につながる危険性がある ―― 。

仙台市でスマホの使用時間を調査

 次のグラフを見てほしい。このデータは、2013年度仙台市標準学力検査、仙台市生活・学習状況調査の結果である。仙台市立中学校に通う全生徒2万2390名のデータを解析したものだ。

 

 

 縦軸は数学のテストの平均点である。横軸では、生徒たちが平日に携帯電話やスマホをどのくらい使っているのかを調査し、「全く使用しない」群から、「4時間以上使う」群まで、6群に分けて平均点を計算した。

 さらに、生徒たちを平日の自宅での勉強時間の長さごとに、「毎日2時間以上勉強する」群、「30分から2時間勉強する」群、ほとんど勉強しない「30分未満」の3群に分けて解析した。

グラフから何がわかるのか

 グラフを見て最初にわかることは、自宅学習時間が長いほど成績が良いという当たり前の事実。2時間以上家庭で勉強をする生徒の成績は、他の2群と比べて、明らかに優れている。

 さらに細かく見ていくと、たとえ家で2時間以上勉強したとしても、携帯・スマホを3時間以上使うと、ほとんど家で勉強をせず、携帯・スマホも使わない生徒たちの方が、成績が良くなる。

 私が特に深刻にとらえたのは、家でほとんど勉強をしない生徒たちのデータである。