2014年8月号掲載

沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか

Original Title :Haunted Empire

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著者紹介

概要

iPodやiPhoneなど、画期的な商品を次々生み出したアップルも、創業者スティーブ・ジョブズ亡き今、勢いに陰りが見え始めた。サムスンとの特許闘争、新機能Siriや地図アプリの失敗、生まれないイノベーション…。強大な“帝国”で今起きていることとは? ウォール・ストリート・ジャーナル元記者が、数年に及ぶ取材を基に、アップルの真実を明らかにする。

要約

去りゆくビジョナリー

 アップルが正式に発足したのは、1976年4月1日、エイプリルフールである。この日、21歳のスティーブ・ジョブズと、その友人で25歳のスティーブ・ウォズニアックが立ちあげた。

 だが、経営を任せるには経験不足だとアップル取締役会は判断し、ジョブズにCEOを探すよう求める。ジョブズはペプシコ社長のジョン・スカリーに白羽の矢を立て、有名な言葉で口説いた。

 「一生、砂糖水を売り続ける気かい? それとも世界を変えるチャンスにかけてみるかい?」

 翌年、アップルは初代マッキントッシュを発売。そして、ジョブズは同社の株主総会で演壇に立つ。最新のコンピューターを袋から取り出し、スイッチを入れる。すると、マシンがしゃべり始めた。

 「こんにちは、マッキントッシュです。袋から出してもらってほっとしました」

 会場は大騒ぎになる。カルトが生まれた瞬間だ。

栄光から挫折、そして復活へ

 だが、この後、永い年月にわたり、ジョブズは栄光と疎遠になる。破壊的な言動と、すべてを犠牲に完璧を追求する姿勢が会社をめちゃめちゃにしてしまい、アップルを追放された。

 同社はその後、スカリーの下で業績を伸ばす。だが、マイクロソフトのウィンドウズがMacを機能的に追い越し、ウィンドウズ搭載PCが普及すると、アップルの市場シェアは大きく下がる。

 アップルが必要としたのは妙手を矢継ぎ早に繰り出すタイプのリーダーなのに、アメリオは手を動かすより目を光らせる方が好きなタイプだった。

 ただ、アップルが難局を乗り切れたのは、アメリオのおかげだとも言える ―― ジョブズの傾きかけたコンピューター会社、NeXTの買収を96年に決断したのだ。これに伴い、ジョブズがアメリオのアドバイザーに就任する。

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