2013年4月号掲載

ネット・プロモーター経営 顧客ロイヤルティ指標NPSで「利益ある成長」を実現する

Original Title :The Ultimate Question 2.0

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著者紹介

概要

今日、経営者の多くは「顧客ロイヤルティ」の重要性を認識している。だが、ロイヤルティはつかみどころがなく、測定や管理などおぼつかないのが実情だ。そこで、著者たちが開発したのが、「推奨者の正味比率(NPS)」という指標。これにより、顧客ロイヤルティをうまく生み出せているかが測れるという。この指標について、実際の活用例を交え、詳しく解説する。

要約

悪しき利益と良き利益、究極の質問

 近年、ほとんどの企業が顧客に目を向け、顧客中心主義になろうとしている。

 だが、多大な努力を払っているにもかかわらず、多くの企業はあまり成果を上げているように見えない。企業文化は利益志向のままで、従来通り、財務的な予算と会計指標に支配されている。

 もちろん、経営者の多くは「なぜロイヤルティの高い顧客を追求すべきか?」という問いの答えを知ってはいる。

 それは、「ロイヤルティの高い顧客は何度も自社に戻ってきて製品やサービスを購入し続け、友人に紹介し、貴重なフィードバックを提供し、価格にそれほど敏感ではないからだ」。

 にもかかわらず、日々追いかけているのは財務指標なのだ。これは大きなギャップである。財務会計や管理会計といった会計システムでは、顧客のロイヤルティ、熱狂度合い、リピート購入、推奨などについて、何も伝えることができない。

 確かに、顧客ロイヤルティは目標とするにはつかみどころがなく、一見すると定量化は不可能に思える。しかも、売上ノルマなど、日々の優先課題に追われるうちに、短期的利益に意識が向きがちになる。

 その結果、顧客に背を向けるような意思決定を行い、「悪しき利益」としか呼べない安易な餌に誘惑されてしまうのである。

悪しき利益が成長を妨げる

 悪しき利益とは、顧客とのリレーションシップを犠牲にして獲得した利益のことだ。

 悪しき利益は、例えば不当な、もしくは紛らわしい価格設定から生じる。こうした事例は身近にいくらでもある。

 例えば、投資信託は往々にして、契約書に細かな字でやたらに高い手数料を紛れ込ませている。リテール銀行は、支払いの遅延や不渡り小切手に対して、驚くほど高い料金を請求する。

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顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」

フレッド・ライクヘルド ランダムハウス講談社