2006年12月号掲載

顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」

Original Title :THE ULTIMATE QUESTION

※『TOPPOINT』にお申し込み頂き「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

顧客の本音を聞くため、企業は苦労しながら様々なアンケートを行っている。だが、本書はあっさり言う。顧客の本音を引き出すには、たった1つ「究極の質問」を行えばよいと。そして、その回答から導かれる顧客ロイヤルティの新指標「NPS」が、企業の成長のカギを握るという。ここで説かれる概念は極めてシンプルだが、それゆえ、あらゆる企業で実践可能だ!

要約

「良き利益」と「悪しき利益」

 利益には「良き利益」と「悪しき利益」がある。

 昨今、その見分けがつかない企業が多いが、その結果は壊滅的だ。悪しき利益を追う企業は、真の成長、つまり、利益ある持続的成長を実現する絶好のチャンスをつぶすことが多い。

 では、悪しき利益とは具体的にどのようなものか? それは、顧客とのリレーションシップを犠牲にして得られる利益である。「騙された」「無視された」「強要された」…。顧客がこのように感じた行為から生じた利益は、全て悪しき利益だ。

 信頼を寄せてくれている顧客に法外な価格の製品や、ふさわしくない製品を押し付ける営業担当者、複雑な価格体系で顧客を惑わせ、真の顧客ニーズを上回った金額を支払わせようとする仕組み。これらは、悪しき利益の片棒を担ぐものである。

 そうした事例は、たくさんある。

 例えば、投資信託の法外な手数料は細かい字で印刷された細則に紛れているため、顧客が気づいていない場合も多い。航空会社のほとんどは航空券の変更手数料として100ドルを徴収している。

 また、1つの電話会社やインターネット・サービス・プロバイダを長年利用している顧客の料金は、他社から乗り換えた新規顧客よりも割高になっている可能性が大きい。

 この悪しき利益の悪影響は、悪しき利益が作り出す「批判者」の手によってもたらされる。批判者とは、ある企業からひどい扱いを受けたと感じている顧客である。

 一方、良き利益とは、顧客を大いに喜ばせた結果、得られた利益である。

 満足客たちは、自ら購入額を増やすばかりか、人にも熱心に薦める。つまり、「推奨者」になる。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか

酒井大輔 日経BP

売上最小化、利益最大化の法則 利益率29%経営の秘密

木下勝寿 ダイヤモンド社

マネジメント【エッセンシャル版】 基本と原則

P・F・ドラッカー ダイヤモンド社

真実の瞬間 SASのサービス戦略はなぜ成功したか

ヤン・カールソン ダイヤモンド社