2012年5月号掲載

理系のトップはなぜダメなのか

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著者紹介

概要

メーカーで15年余の技術者生活を送った後、営業部長に ―― 。文系の世界で苦労した理系出身の著者が、自らの経験から手に取るようにわかるという、「理系リーダー」の欠陥をズバリ指摘。ロジックにこだわる、目標を甘く見る…。理系出身の鳩山由紀夫、菅直人両元総理を例に、理系思考のリーダーが陥りがちなミスジャッジやミスリードの原因を解き明かす。

要約

「理系リーダー」の限界

 旧来の日本では考えられなかった「政権交代」が平成21年、現実に起きた。

 だが、新しい時代の到来を予感させたのもほんの束の間、鳩山由紀夫総理、菅直人総理と続けて、何ともお粗末な姿を見せ、早期に退陣した。

 その理由について考えてみると、実は「理系出身のトップ」ならではの、世間知らずなマネジメントに根本的な原因を求めることができる。

簡潔なロジックで世の中は動かない

 理系の理系たる理由、それは「理屈っぽいこと」。すなわち「論理=ロジック」に徹底的にこだわるところだ。

 ひとたび理系の世界でその釜の飯を食うと、ロジックなしでは一切仕事ができなくなってしまう。

 例えば、1+1は2。当たり前のことだが、実は、ロジックがあるからこそ、常に2になるのである。これが、時には3とか5になったら、計算することすらできなくなってしまう。

 理系の人々は、この「当たり前とも思えるようなロジックの積み重ね」を、学生時代から延々と反復トレーニングしてきた人間なのだ。

 こんな連中だから、「白いものは白、黒いものは黒」という硬直した考え方が染みついている。だがそれでは、様々な利害が渦巻く現実社会では生き抜くことが難しいことは容易に想像できる。

 民主党政権発足後、国際会議で鳩山総理は、世界に向けてこのメッセージを大々的に発信した。しかし、国内経済界からは大ひんしゅくを買った。

 恐らく彼が描いたロジックの構成は、次のようなものであったと考えられる。

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