2026年9月号掲載
職場の憂鬱 「無気力な毎日」には理由(ワケ)がある
- 著者
- 出版社
- 発行日2026年6月15日
- 定価1,100円
- ページ数221ページ
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著者紹介
概要
「幸せでもないが、不幸せでもない」。こうした感覚のまま、働く日本人は多いという。なぜ、幸せを感じにくいのか。「働く幸せ」を得るには何をすればよいのか。幸福学の第一人者が、この問題を科学的に解き明かした。大規模調査を基に、幸せと不幸せを左右する要因を明らかにし、自分の幸せを守るためにできることを示す。
要約
日本の「働く幸せ」は危機的状況
あなたは今、幸せに働けていますか?
こう聞かれて、迷わず「はい」と答えられる人は、どれくらいいるだろうか。
「毎日幸せです」と言えない私たち
全国の働く人を対象に、大規模な調査を行った。この調査では、4634人の就業者に「あなたは幸せに働けていますか」と尋ねた。
そして、「働く幸せ実感」と「働く不幸せ実感」を年齢別に分析した結果、働く幸せ実感のスコアの全体平均は7点満点中4.3前後。真ん中の「どちらとも言えない」あたりに答えが集中していた。つまり、多くの人が「幸せとも不幸せとも言えない」という感覚のまま、日々働いているのだ。
もっと気になったのは、年代ごとの推移である。20代は働く幸せ実感が最も低く、働く不幸せ実感が最も高かった。一般的に幸福度は40~50代が最も低いといわれるが、働く現場では「若い人ほど幸せではない」という傾向が見えたのだ。
世界で最も「やる気」がない国、日本
日本の「働く幸せ」の低さは、国際比較をするとさらにはっきりする。
ある世界規模の労働者調査では、「あなたは仕事に熱意を持って取り組んでいますか」という問いに対し、アメリカ人は30%以上が「熱意を持って働いている」と答えた。一方、日本人はわずか6%で、調査対象国の中で最低水準だった。
これは1つの調査だけの偶然ではなく、様々な調査が一貫して示している傾向といえる。では、なぜ日本人はこれほど仕事への熱意が低いのか。
よく「日本人はもともと勤勉な国民なのだから、やる気がないはずはない」といわれる。確かに、日本人は真面目だ。問題は、真面目に働いているのに「喜び」を感じられないということである。
つまり、日本の労働者は「手は動いているが、心が動いていない」状態なのだ。義務感で机に向かい、責任感で仕事をこなしている。でも、「この仕事が楽しい」「この仕事を通じて成長している」という実感がないのである。
日本人らしさが生む「幸せ阻害因子」
実は日本人には、幸せを感じにくくする特性がいくつかあるといわれている。